キャンパス・学生生活 iGEM(合成生物学の国際大会)での研究成果発表に向けて―iGEM TOYAKU
―iGEM TOYAKUについて教えてください。
iGEM TOYAKUは、2021年の学内アイデアコンテスト「生命科学フォーラム」において優勝したことで結成された、東京薬科大学のiGEM チームです。iGEMは合成生物学の国際大会のことであり、別名「生物版ロボコン」とも呼ばれています。
私たちは世界が抱える問題を解決することができるユニークなアイデアで、iGEM に出場することを目指しています。
―活動内容を教えてください。
通常の活動では、毎週火曜日の18:00から大学講義室を借りて定期ミーティングを行なっています。進捗やタスクについて共有した後、研究、渉外、企画、広報の4つの班に分かれて打ち合わせや作業を行います。
また金曜日には不定期でWikiClubを行なっています。Wikiとは世界中のiGEMチームがiGEM出場にあたって作成する、自分たちの研究テーマについて方法や結果をまとめたWebページのことです。WikiClubでは担当者が当日までに他チームのWikiを読み、研究内容と実験結果をまとめて発表します。発表後は質疑応答の時間として、みんなで実験手法や結果について考察したりディスカッションを行なったりしています。―今後の目標を教えてください。
私たちの今の目標は大きく二つあります。
一つ目は合成生物学の国際大会であるiGEMへの出場です。私たちはiGEMチームとして始まったサークルなので、いつか私たちの研究成果をiGEMという大きな舞台で発表したいと思っています。
二つ目はサイエンスミュニケーション活動です。薬学、生命科学を学ぶ学生としてサイエンスコミュニケーション活動を行うことで、中高生をはじめとした皆さんに、科学研究をもっと身近に感じてもらいたいと考えています。
―これまでの活動実績を教えてください。
2022年のおもな成果として、
- 8月には高校生を対象としたサイエンスイベント「サマー・サイエンス・プログラムin TOYAKU」を開催しました。科学や研究活動の楽しさを共有することを目標として、自由にアイデアを出すディスカッションや、オリジナルカードを用いて自分で実験を組み立てることができるワークショップを行いました。
- 11月にはテレコムセンタービルにて開催されたサイエンスアゴラ2022に出展しました。サイエンスアゴラとは研究者と市民をつなぐ開かれた交流の場のことです。私たちのテーマである「ゴジラバクテリアプロジェクト」と合成生物学について様々な分野、年齢の方々と意見交換を行うことで、さらにアイデアを深め視野を広げる経験ができました。
- 同じく11月に日本のiGEMチームが一同に会するオンラインミートアップに参加しました。本イベントは日本におけるiGEMチームの交流促進と意見交換を目的として、京都大学、北海道大学のiGEMチームとiGEM TOYAKUが共催したものです。東京大学、早稲田大学、東京工業大学などの10チームを超える日本のiGEMチームがオンラインで集まり、今年の活動の成果発表と交流会を行いました。iGEM出場に向け、私たちが乗り越えなければいけない課題を実感するとともに、さらにモチベーションが高まった有意義な会になったと感じています。
―iGEM TOYAKUへの参加に条件などはありますか?
―iGEM TOYAKUのアピールポイントを教えてください。
iGEMに出場するには研究の他に教育活動、他チームとの交流、資金調達、広報活動などの複合的な力が問われるので、研究だけにとどまらずたくさんの経験ができることが大きな特長です。新しいイベントの企画、イベントに伴うポスターやパンフレットなどの作成、広報活動のためのホームページや動画の編集、助成金応募などの資金調達活動、他大学のiGEMチームとの連携や交流など幅広く活動しているため、それぞれの興味や強みを活かすことができます。
また、新しいサークルのため活動内容に自由度が高く、トライアンドエラーを繰り返しながら成長していく達成感があります。自分の好奇心を大切にすることができ、挑戦することに前向きな部員が揃っているので、学年を問わず切磋琢磨することができると感じています。一方で一緒に昼食をとったりレクリエーションを行ったりするなど、先輩後輩関係なく仲の良い雰囲気も私たちのアピールポイントです。年関係なく協力してこれからの iGEM TOYAKU の歴史を一緒に作り上げていきたいと思っていますので、興味のある方はぜひ体験に来てほしいです。
―ありがとうございました。
インタビュー: 代表 鈴木 麻心さん(生命科学部2年)