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生命科学部

学部長/研究科長からのメッセージ

生命科学部

生命科学部|学部長/研究科長からのメッセージ

未来を拓く
〜 生命科学の研究と教育 〜|生命科学部長 井上 英史

 「人はいかに生きるべきか?」は、人間の全ての営みの根底にある究極の問いです。「生きるとは何か?」「生命とは何か?」を古代から人は問い続けてきました。生命のしくみに対する科学的なアプローチは、20世紀後半から爆発的に進展しました。

 私たちの学部は、1994年に我が国最初の生命科学部として設立されました。当時、自然科学としての生命科学は医学・薬学・理学・農学・工学といった学部に分散して存在していました。これらを横断した一つの学部として誕生したのが私たちの学部です。教員の学位が偏りなく多岐に渡っていることが示すように、さまざまな領域の研究・教育者が集って構築している学際的な学部であることが、他の大学の生命科学系の学部と異なる大きな特徴です

 生命科学は実に広大かつ深遠で、この領域の研究は、速度を緩めることなく、ますます発展しています。生命科学のすべてを限られた時間で学ぶことは今や不可能です。そこで、私たちの学部では、教育・研究の重点の置き方の違いに基づいて、3つの学科よりなる構成をとっています。

 分子生命科学科は、生命現象を分子のレベルで理解することで生命科学全体の基盤を支えます。また、創薬等の分子利用技術に視点を置きます。応用生命科学科は、持続的な社会の構築を目指し、多様な生物の特徴を生かして環境や食・エネルギー資源などに展開することに視点を置きます。生命医科学科は、人の病気の仕組みを理解することを基盤として、新規の医療技術や治療法の開発、健康社会に貢献することを目標とします。そして学部全体としては、このような学科の枠組みを超えて研究や教育を行い、教養や人間力を基礎として最先端の生命科学に通じた人財を育成します。

 大学は研究の場であり、学びの場です。新しい知が生まれ、人が育つところです。「研究する」と「学ぶ」はどちらもstudyという英語に置き換えることができますが、studyの語源は「熱中する、努力する」という意味のラテン語studeoだそうです。研究も学びも熱中も努力も、すべて主体的な行為であり、そこにあるのは「自発的な意思」です。

 自発的な意思には「きっかけ」や「気づき」が必要です。私たちの学部では創設以来、少人数ゼミナールやアドバイザー制度により、学生が教員と接する機会を多く作って来ました。さらに、企業や自治体の方々のご協力のもとに産学協同のアクティブラーニング授業を導入しました。また様々な領域で活躍する卒業生と学生とが交流する授業を開講しました。こうした取り組みにより、さまざまな経験をもった多くの人たちと学生が接する機会を設けております。これらに加えて、国内外の研究機関、企業や医療機関等との共同研究も盛んに行っています。

 このように一般的で総合的な教育と、学際的でアクティブな研究活動を背景とした専門教育を私たちは提供します。このことを通して、自発的な意思をもって知識や技能を習得し、それらを駆使して課題を発見・解決し、社会や世界との関わりの中でより良い人生を過ごす人を、私たちの学部では輩出して行きたいと考えております。

 生命科学部の卒業生は、この春で3700人を越えました。その多くが大学や研究所、製薬関連・化粧品・食品・化学・IT等のさまざまな企業、あるいは教員や公務員として活躍しています。多くの学生が、本学大学院だけでなく東京大学や東京医科歯科大学などの他大学の大学院へも進学し、修士号や博士号を取得しております。

 生命科学部は、これまで幸い、きわめて高い進学率と就職率を維持して参りました。これは、ひとえに社会の皆様方の心温まるご支援のおかげと感謝いたしております。今後も、未来を担う人の育成と研究を通じた社会貢献に、ますます努力して参りますので、ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。