ニュース&トピックス 応用生態学研究室の「葉の呼吸によるO2消費速度の夜間における低下と、CO2放出速度の応答性との違いや意義」についてまとめた論文がNew Phytologist誌に掲載されました。

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2024.04.30

論文情報

タイトル“Differential nighttime decreases in leaf respiratory CO2-efflux and O2-uptake“

陸上植物の葉の呼吸によるCO2放出速度が、夜間に低下することがさまざまな植物種で報告されてきていました。最近、それらの研究例がまとめられ、葉のCO2発生速度の夜間低下量がかなり多いこと、夜間の気温低下では説明できないこと、光合成によるCO2吸収量と呼吸によるCO2放出量で決まる陸上植物の炭素収支に大きく影響することが報告されました。呼吸はCO2放出だけでなくO2消費を伴います。本論文では、これまで発表されてきた夜間における葉のO2消費速度の変化についての研究データをまとめ、葉のO2消費速度の夜間の変化はCO2放出速度の夜間の変化とは必ずしも一致しないこと、CO2放出速度とO2消費速度の応答性の違いは呼吸基質組成の変化だけでなく呼吸系で生成されるNADHの酸化機構が夜間に変化するためであることを明らかにしました。今後は、CO2放出速度とO2消費速度の応答性の違いの多様性の背景にある機構や、その生態的な意味について明らかにしていく予定です。

Doi:  10.1016/j.crope.2023.11.006

著者: Dan Bruhn, Ko Noguchi, Kevin L. Griffin, Mark G. Tjoelker

掲載誌: New Phytologist (2023) 241:1387–1392

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東京薬科大学 生命科学事務課