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東京薬科大学の研究チームがミトコンドリアの神経細胞死を防ぐ新たな役割を発見。アルツハイマー病、パーキンソン病など、神経疾患の発症メカニズムを解明し新薬開発に期待。

近年、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患の発症おいて、酸化ストレスによるミトコンドリアの機能低下が原因として注目されていました。しかしながら、酸化ストレスがどのようにしてミトコンドリアの障害を引き起こすのか、また、その防御機構の存在についても知られていませんでした。

東京薬科大学生命科学部の与那城亮助教と柳茂教授らの研究グループは、酸化ストレスによってミトコンドリアがダメージを受けるメカニズムを明らかにし、ミトコンドリア上に存在するユビキチンリガーゼMITOLという酵素が、酸化ストレスからミトコンドリアを保護していること、MITOLによる防御機構の破綻が神経細胞死を誘導することを発見しました。

微小管関連タンパク質の一つであるMAP1Bは、一酸化窒素による酸化修飾を受けてミトコンドリアに過剰に蓄積すると、ミトコンドリアの形態異常を伴う機能不全を引き起こすことがわかりました。通常、ミトコンドリアはMITOLを仲介してMAP1Bの分解を促すことによって機能を正常に保っていますが、過剰な一酸化窒素に晒されるとMITOLの酵素活性が低下もしくは消失します。その結果、MAP1B蓄積によるミトコンドリアの機能低下とそれに伴う神経細胞死が誘導されることがわかりました。

これらの研究成果は、神経細胞死を防ぐミトコンドリアの新しい役割を示すと共に、アルツハイマー病やパーキンソン病など、酸化ストレスによって引き起こされる神経疾患の理解に新たな視点を提供するものです。今後、MITOLおよびミトコンドリアを標的とした新薬の開発が期待されます。

本研究成果は、2012年1月30日(米国東部時間)に米国の科学雑誌Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA誌(米国科学アカデミー紀要)のオンライン版(http://www.pnas.org/)に掲載されました。
  
  

※2012年2月13日追記
2012年2月11日の読売新聞多摩版(朝刊)に記事が掲載されました。
  
  

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