ニュース&トピックス 東京薬科大学教員ら4名が能登半島地震被災地での支援活動を実施|プレスリリース

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2024.02.14

東京薬科大学(東京都八王子市、以下「本学」)は、この度の能登半島地震に対し、薬剤師としての実務経験を有する教員ら4名を被災地へ派遣し、支援活動を行いました。

概要

この度の能登半島地震の被害に対し、東京都からの要請を受け、東京都薬剤師会は災害派遣薬剤師の募集を行いました。本学はこの要請に応え、教員ら4名を被災地に派遣し、支援活動を行いました。

派遣者および派遣期間

  • 松本 有右 常務理事/客員教授…2月2日(金)~2月6日(火)
  • 秋山 滋男 准教授(薬学実務実習教育センター 所属)…22日(金)~26日(火)
  • 鈴木 信也 准教授( 同 所属)…1月24日(水)~1月28日(日)
  • 原 直己 講師( 同 所属)…1月21日(日)~1月25日(木)

P1699016_900x506.jpg1月19日(金)に行われた壮行会にて。左から、石射常務理事、楠理事長、鈴木准教授、原講師、三巻学長、松本常務理事、堀教授。
鈴木准教授、原講師(写真中央2名)が支援活動に赴きました。

P1699137(1)_900x506.jpg1月29日(月)に行われた壮行会にて。左から、石射常務理事、三巻学長、秋山准教授、松本常務理事、楠理事長、原常任監事、堀教授。
秋山准教授、松本常務理事(写真中央2名)が支援活動に赴きました。

派遣に際しての挨拶

■松本常務理事
「能登半島地震で亡くなられた方並びに、ご家族の皆様に対してお悔やみ申し上げます。また、被災された方々にお見舞い申し上げます。東京都薬剤師会の要請により、私と秋山准教授は能登半島地震における東京都薬剤師会災害支援薬剤師第9班(輪島班)として2月2日から4泊5日で、石川県輪島市で活動をしてきます。現地では医師をはじめとする医療関係者の方々、特に石川県薬剤師会の先生方と連携を取りながら、支援薬剤師が災害時医療対応の原則を踏まえて活動できるように頑張ってきたいと考えています。」

■秋山准教授
「発災から1ヶ月経過しますが、現在も多くの方が避難所で生活されていると思います。少しでも避難されている方々のお力になれるよう、今までの薬剤師としての経験を活かして、できる限り頑張ります。 」

■鈴木准教授
「新年1日の震災直後から、何か出来ることはないかと考えていました。このたび、現地で医療活動する機会を頂き、身の引き締まる思いであり、大変光栄に存じています。今までの経験を活かして、頑張りたいと存じます。」

■原講師
「これまで薬剤師として長年災害薬事に携わってまいりました。薬剤師として、これまで培ってきた経験を活かし、被災された皆さまに対する災害医療に少しでも貢献できるよう頑張りたいと存じます。」

なお、今回東京都薬剤師会からの派遣要請により出動した4名の教員らは、過去に新潟中越地震や東日本大震災、熊本地震、ダイヤモンド・プリンセス号における新型コロナウイルス長期検疫対応等に際して、いずれかが薬剤師として現地での活動に参加しており、その経験を踏まえて、今回、輪島市ふれあい健康センターを拠点として、1班3名(東京都の薬剤師)が被災地(石川県輪島市)での医療支援活動に携わりました。

能登半島地震被災地での活動内容

今回の派遣における被災地での主な災害支援活動内容は次のとおりです。

  • 常用薬確認表により、各避難所の被災者の常用薬調査を行った。
  • 各避難所を巡回し、保険診療あるいは災害処方箋により調剤された薬の交付および服薬指導を実施した。
  • 各避難所の衛生環境の調査と改善に向けた活動を実施。断水している避難所もあり、インフルエンザ、ノロウイルス、新型コロナウイルスが流行しつつあった。この状況に対し、感染拡大を防止するため、除菌・殺菌に効果のある薬剤の情報提供や手洗い場での石鹸(ハンドソープ)の設置を促した。また、経口補水液の作成方法の情報を共有した。
  • 近隣薬局やモバイルファーマシーにおける薬剤在庫情報の管理と共有を行った。また、各避難所に点在するOTC医薬品の情報収集、管理実態調査を行い、集約した情報をクラウド化し、医療関係者からのアクセスを可能にした。
  • OTC医薬品を使用の際の適正使用について、患者や他の医療従事者に対して情報提供を行った。
  • 医師や看護師、その他現地スタッフからの要請等による個別患者対応等を行った。

1_900x600.jpg避難所にて。
薬剤師が被災者に常用薬を届けに行く様子。

2_900x600.jpg支援物資中のOTC医薬品 仕分けの様子。

P1699140(1)_900x600.jpg学内での活動報告会の様子。
鈴木准教授による現地活動報告。

教員らは今回の活動を振り返り、以下のようにコメントしています。

  • 「チームリーダとして、改めて『災害時医療対応の原則』の重要性を認識した。」

  • 「災害医療に於いて最も基本かつ重要なことは、指揮命令系統の確立と遵守であることを改めて実感した。その上で今回の災害薬事に関する活動で、我々薬剤師は、まさに薬剤師法第一条にある【薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする】ことを実践したと感じる。」
  • 「被災後の混乱の影響は残っているものの、日を追うごとにフェーズが移行し、復興の兆しを感じた。我々も、フェーズごとに現れる災害薬事関連の課題に対して、解決に向けて行動することを心掛けた。」

  • 「災害後のフェーズの変化に伴い、必要となる医薬品のニーズが異なることがわかった。また、薬剤師として、環境・衛生面での役割が極めて重要であることを痛感した。」

本学では今回の経験を活かし、災害薬事において活躍できる薬剤師の養成を目指して、教育活動を行ってまいります。

本件に関するお問い合わせ

東京薬科大学 総務部 広報課