教育活動 実務実習

薬学6年制教育では、「薬の専門家」として適切な知識・技能・態度を有する薬剤師を養成することが求められています。そのため、病院・薬局での実務実習が義務づけられました。そこで、薬剤師職務に必要な基本的な知識・技能・態度を身につけるために、学内で実務実習事前実習を行います。実務実習事前実習は、薬学実務実習教育センター(教育5号館)で4年次前期に約3ヵ月にわたって行われます。散剤実習室や注射剤調剤室などでは、3年次までの基礎実習で身につけた科学的知識や技能などを実際の薬に応用して、無菌調製など調剤を学びます。薬局カウンターや模擬病室では、ボランティアの模擬患者さんを相手に、薬の飲み方を説明する一連のロールプレイングを体験します。また、模擬薬局を利用して、処方箋疑義に対する問い合わせ、調剤薬監査や薬歴管理などを学びます。これらの実習を通して、患者さんばかりでなく、医師、看護師などの医療従事者とのコミュニケーションの取り方も学びます。

薬学実務実習教育センター(教育5号館)

実習施設は最新の設備、調剤機器、システム、生体シミュレーターなどを備えており、学生が病院や薬局の最先端の医療現場に近い環境で実務実習事前実習を行えるように工夫されています。

散剤実習室

散剤(粉薬)の薬塵を収集する機能を備えた散剤調剤台が一人一台用意されており、クリーンな環境で実習ができます。

注射剤計量調剤室

液晶モニター内蔵のクリーンベンチを48人分備えています。無菌操作の模範実技映像を見ながら実習や自分の実技を振り返ることができます。

模擬病室(シミュレーションルーム1)

プライバシーを重視した個別タイプのモデル病室を8室備えています。病棟での薬剤師業務に近い環境で実習ができます。

模擬薬局(シミュレーションルーム3)

着座式のカウンター10台を備えています。実際の薬局に近い環境で、患者さんへの薬の説明などを実習できます。

病院・薬局実習

薬学部5年次における主要なカリキュラムの一つは、病院および薬局で行われる実務実習です。本学では、姉妹校の大学病院を初め約85の病院、大手調剤薬局などに加えて地域の約190の薬局で病院・薬局実習を実施しています。実習施設は関東一円にわたり、多様なニーズに応えられるようになっています。この実務実習では、見学実習とは異なり、施設内の様々な業務に参加することになります。実習を通して、薬に関する知識を深めるだけでなく、医療チームの一員としての責任感や患者さんと接する態度を育むことを目的としています。

実務実習の流れ

病院と薬局の実務実習先は、4年次に決定されます。実務実習前には、実務実習事前講座で施設内でのマナー教育や実習期間中の指導体制、実習日報・週報の作成法などに関するガイダンスを受けます。その後、提携病院と薬局で実務実習がそれぞれ2.5カ月間行われます。薬局実習・病院実習の順番で行い、実習終了後は、実務実習合同報告会を行います。報告会では、実習生による実習内容の報告だけでなく、大学教員や指導薬剤師も参加しての総合討論が行われます。このような報告会を通して他施設での実習状況なども知ることができ、薬剤師として必要な多くの知識・技能・態度を身につけることができます。

実務実習

コーディネーター制度

本学の実務実習の特徴は実習施設ごとに担当教室が割り当てられて、教室の所属教員全員がコーディネーターとして実習施設の指導薬剤師の先生と連携して、実習生をサポートしております。より良い実務実習を実現するためには、実習施設の指導薬剤師の先生と本学担当教員の情報を共有しておく必要があります。そのため、実習施設の指導薬剤師向けのFD研修会や説明会などを開催して、教育連携を深め、質の高い薬学実務実習教育を推進しています。

コーディネーターの主な役割

  • 実務実習前の個別指導
  • 実習期間中の訪問指導と評価
  • 実習期間中の学生への精神的なケア
  • 実習終了後の実務実習合同報告会でのプレゼンテーション等の指導
  • 実習施設担当者合同会議への出席
コーディネーター制度

薬学共用試験

『薬学共用試験は全国の大学で統一された試験であり、主に知識を評価する客観試験CBT (Computer-Based Testing)と、実技を通して主に技能・態度を評価する客観的臨床能力試験OSCE (Objective Structured Clinical Examination)の2種類から成り立っています。薬剤師資格を持たない薬学生が実務実習を行うには、学生の知識・技能・態度が一定のレベルに到達していることを保証する必要があります。』(薬学共用試験センターより引用)
薬学生は4年次に、CBTとOSCEを受験し、設定された一定の基準を上回る成績を修めることで、5年次より実務実習に参加することができます。

2023年度 薬学共用試験結果

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実施日程 合格者数 合格基準
CBT

本試験
2023年12月19~20日
追・再試験
2024年2月27日

415人 正答率60%以上
OSCE

本試験
2023年12月9~10日
追・再試験
2024年2月17日

420人 細目評価70%以上
概略評価5以上
共用試験 415人