松本 尚輝

生命科学部 応用生命科学科 3年(取材当時)

群馬県立高崎高等学校 出身

ECO-TOPプログラムで学んだ多角的な視点

環境保全に特化したインターンシップ

私は、ECO-TOPプログラムの一環で、8月16日から20日まで、八王子市役所環境政策課のインターンシップに参加しました。ECO-TOPプログラムとは、東京都が行っている自然環境保全のための人材育成・認証制度で、プログラム修了者には修了者登録証が交付されます。現在5つの大学が認定校とされ、私が所属する応用生命科学科もECO-TOPプログラムの認定校の1つです。入学した年からECO-TOPプログラムがスタートし、市役所や企業でインターンシップができることもあってプログラムへの参加を決めました。
プログラムでは1年生から4年生まで所定の必修科目と選択科目を履修するほか、企業、行政、NPOのインターンシップに参加し、環境保全活動や環境政策について学ぶことができます。私は、3月にフードリサイクルに取り組む企業のインターンシップに参加したので、今回は行政の立場で学ぼうと八王子市のプログラムを選びました。
初日は、八王子市の環境基本計画の枠組みや施策を学び、特別緑地保全地区「上川の里特別緑地保全地区」を見学しました。50.9ヘクタールと広大で高低差のある里山を市役所の方と歩きながら、八王子市と企業、市民団体が連携して針葉樹林や水源の整備に取り組んでいることを学びました。また、環境保全活動は、参加する企業にとっても従業員の意識向上や優秀な人材確保につながるメリットがあること、そして次世代の環境保全の担い手の育成が課題であることを学びました。

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子どもたちに楽しく有意義なプログラムを目指して

続いて、八王子市のごみ処理場である館クリーンセンターを見学後、八王子市北野環境学習センターにオープンしたばかりの「生きもの展示室」のイベントスタッフを務めました。「生きもの展示室」には、市内に生息する生き物だけでなく、海の生き物に触れるタッチプールやザリガニつりのコーナーが設けられ、東薬から参加した学生2名は展示スタッフの一員としてイベントを担当しました。
イベントスタッフとして意識したのは、来館した小学生に楽しく生物や生物多様性について知ってもらうことです。子どもたちにとって有意義なイベントになるよう、生き物クイズを企画・実施したほか、タッチプールが深すぎる年齢の子どもたちには、短時間生き物を持ち上げて触りやすくしたり、引っ込み思案な子どもにはこちらから声を掛けるなど工夫して、より多くの来場者が生き物を身近に感じられるよう工夫しました。仲間や市の職員の方たちと協力して臨機応変に対応することができ、イベントに来てくれた子どもたちの笑顔が今も心に残っています。
最終日には、市内を流れる浅川での生き物観察イベントで、地元の環境保全活動団体の方たちとともに親子連れの体験型イベントのスタッフを担当しました。年齢も立場も異なる職員の方や関係者の方たちと協力した経験は、チームワークやコミュニケーションスキルの向上につながったと感じています。
また、教職課程を履修していることもあり、イベント以外にも環境について学べるビオトープや見学ルートが市内に整備され、小学生から体験型の環境学習を経験できることが大人になってから自然環境に配慮する意識につながることを実感しました。

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企業と行政のインターンシップで視野が広がったECO-TOPプログラム

八王子市が取り組んでいる業務の一部を見学・体験して、行政ならではの俯瞰的な視点で環境保全について考えることができました。市の業務が地域社会の環境に大きく影響するため、行政ならでは責任の大きさを改めて感じました。今回のインターンシップで、これまでの消費者・市民としての視点に加え、企業側、行政側それぞれの視点を新たに得ることができ、環境保全に対する考え方が広がったと感じています。環境保全への意識もより高まり、新たに東京都の「保全地域体験プログラム」にも参加して行政の環境保全活動に積極的に関わるようになりました。また、ECO-TOPプログラムのインターンシップで生き生きと働く社会人の方たちと接したことで、将来自分の力を生かして働くことが楽しみになり、キャリアを考えるうえでも貴重な経験になったと感じています。今後は、大学院に進学後、環境保全に貢献できる企業で技術職や研究職に就きたいと考えています。

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「本を通じて著者との対話から考えを豊かにしたい」

東薬の図書館は蔵書数も多く学習スペースもあるので、入学後から毎日のように利用しています。以前は、レポート作成に必要な参考文献などを手に取るだけでしたが、東薬生が選んだ「選書コーナー」の理系ミステリー本がきっかけで、読書にはまるようになりました。これまで読んだことがないジャンルの本や小説などを読むようになりました。本を通じて、日本中、世界中の人の考えを吸収し、著者と自分の考えを照らし合わせることは対話するような面白さが読書にあります。高校生の皆さんにもぜひ多くの本を読んでほしいと思います。

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