スタッフブログ 薬用植物園ってどんなところ? ~三宅准教授に聞いてみた~
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2023.08.21
東薬薬用植物園をご存じですか?
東薬の大きな特徴であるこの場所について、薬用植物園の管理をされている三宅克典准教授にインタビューを行いました。
三宅准教授は普段、「栽培研究」と「薬用植物のエキスライブラリ化」を2本柱として研究をなさっています。
Q1.東薬に特有の珍しい植物はありますか?
「ヤボランジ・大黄・様々な品種のホップです。」
1.ヤボランジ
南米の植物「ヤボランジ」は東薬には2種類植えてあり、葉が広い方がとても珍しい薬用植物です。温室で栽培されています。
ヤボランジに含まれる「ピロカルピン」という成分は眼圧を低下する効果があるため、緑内障の治療薬として用いられているんだとか!
2.大黄
大黄は暑さに弱い植物のため、東京都の薬用植物園では涼室で育てているところがほとんどです。屋外の場合は八ヶ岳や菅平、または北海道など涼しい環境で育ちます。
しかし東薬では栽培研究として大黄を屋外で栽培しているため、屋外の大黄という貴重なものを見ることができます!
3.たくさんのホップ
東京薬科大学と高尾ビール株式会社が共同製作したクラフトビールが、2021年から発売されているのをご存じでしょうか?
東薬の酵母や乳酸菌が使われており、三宅先生が栽培したホップが使われているという貴重なビールで、香りと苦みが特徴です。
八王子市内だけで、作ったタイミングに合わせて販売されています。
その「ビール栽培」に利用されるホップ。様々な品種のホップが東薬植物園では展示されています。
Q2.展示する植物はどのように選別していますか?
「 1番の観点は『東薬生に勉強してほしいもの』ですね(笑)」
東薬の植物は、「東薬生に勉強してほしいもの」そして苗が確保できたもの、が選別されているそうです。
基本的には薬用植物かつ日本薬局方に名前が出ているものが重点的に展示されています。
また、暑さや寒さに弱い植物は、時期を選んで期間限定の栽培がおこなわれています。
加えて、よく流通しているものや健康食品に使われているものも植えられているそうです!
Q3.東薬の薬用植物園の特徴は何ですか?
「名前の札がついていることですね。」
東薬薬用植物園の植物には、一つ一つに名前の札がついています。
成分や構造式、効能などが書かれている札も多く、東薬生の勉強に役立ち、見るだけでも面白いものになっています!
「植物園」と比べて「薬用植物園」は単体の見た目だけでは大きなインパクトはない植物も多いため、このように工夫して展示されているそうです。
Q4.東薬の薬草園には年間でどれくらいの人が来ますか?
「薬学部生を含まない一般の方の昨年の来場人数は1800人ほどです。」
通学中のバスの中でも朝早くから植物園に向かう一般の方を見かけることがありますが、かなりたくさんの方が植物園に来ているとわかります!
イベントが行われる際の人気も高く、6月に行われたイベントでは定員上限の200人が埋まったそうです。
東薬薬用植物園のTwitterやInstagramで告知もされているので、興味のある方はぜひフォローしてみてください!(この記事の最後にURLがあります。)
新型コロナウイルスの影響による規制が入る前は、年間6000人ほどが来場していたそうで、今年の目標は5000人だそう…!
昨年までは一般の方への開放は火曜日・木曜日に限定されていましたが、今年からすべての平日と土曜日に開放されています。
ぜひ一度ご来場くださいね。
Q5.三宅先生オススメの薬草はなんですか?
「大黄・麻黄ですね!また『痛い植物』もオススメです。」
大黄は調子が良ければオススメなんだとか。昨年枯れてしまったため、今は植えられたばかりの大黄を見ることができます。
「痛い植物」については『三宅先生直伝!薬用植物園のみどころマップ(後編)』の記事でご紹介しているため、ぜひご覧ください!
~東薬生へメッセージ~
東薬薬用植物園は、東薬生が勉強に使える薬草が多く植えられています。
名前や乾燥された生薬見本だけでは想像もつかないような見た目の植物に驚くこともあり、印象に残ってより勉強が捗るのではないでしょうか?
生薬について習った際には、教材片手に・または知識を持って息抜きとして、ぜひ薬草園に来て役立ててください!
薬用植物園の詳しい魅力について、『三宅先生直伝!薬用植物園みどころマップ(前編)』、『三宅先生直伝!薬用植物園みどころマップ(後編)』でご紹介しています。
そちらの記事も合わせてご覧ください!