ニュース&トピックス 「月刊ことぶき2020年9月号」に、薬学部 成井浩二先生のインタビュー掲載。
コロナウイルス感染症の拡大に立ち向かうセルフメディケーション

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2020.12.24

2020年9月に刊行された「月刊ことぶき2020年9月号」巻頭記事「最新ヘルスアップガイド おクスリから最新アイテムまで一挙紹介」に、薬学部 一般用医薬品学教室講師 成井浩二先生のインタビューが掲載されました。

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そこで今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第3波の予兆に伴い、セルフメディケーションを専門にしている成井先生に、「自分の健康を守るためのアドバイス」を、改めてインタビューいたしました。

 

―先生の専門分野について教えてください。

セルフメディケーションです。WHOでは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています。
でも、自分の不調が軽度なものか重度な病気にかかる症状なのかわかりにくいですよね。そんな時に頼りになる薬剤師を育成できるような教育・研究を行っています。

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―セルフメディケーションという観点から気になるのは、昨今猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症への対策ですね。
 まず、新型コロナウイルスの脅威について教えてください。

まずは致死率です。例えば、インフルエンザウイルス感染症の致死率が0.1%と言われていますが、新型コロナウイルス感染症による致死率は3-4%と高いことです※1。
一部の国や地域では予防ワクチン接種が開始されました。日本の研究者の調査では実際に感染した患者の抗体が半年後でも保持されていることが報告されましたが、ワクチン接種でも同等の効果が得られるかは不明です。インフルエンザの場合は治療薬がありますが、新型コロナウイルスの場合は治療法が確立されていない点も脅威です(2020年12月現在)。
さらに、ウイルスの変異種が出現したことが報告されており、現在までの研究成果がどの程度生かせるか不明である点も、脅威と言えるでしょう。
また、人類がまだ1年しか対峙していない感染症ですから、不明なことが多いというのも課題です。「あれが効く」「これが効く」と様々な情報が入り混じって飛び交いますが、それに踊らされず情報を十分に精査し、理解することが重要ですね。

※1 引用『一般社団法人日本感染症学会提言 今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて』

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―そのような状況ですと、まずは感染しないように自分で注意をしないといけませんね。
 セルフメディケーションの観点から、自分でできること、重要なポイントを教えてください。

基本はマスクと手洗い・うがいを。すでに行っていると思いますが、改めてお伝えしたいことです。そして何より、睡眠をしっかりとって自身の体力を万全に保ってください。 ソーシャルディスタンスを保つことも効果はあると思います。 この冬の時期に工夫が必要なことは、換気ですね。空気の入れ替えによって清浄化されるのは良いのですが、一方で乾燥や室温低下の心配もあります。それによる不調を引き起こさないように、気を付けながら行わねばなりませんね。

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―はい。通常でも冬が深まってくると、風邪やインフルエンザ等、様々な感染症の脅威があります。
 セルフケアに大切なポイントを教えてください。

決まった時間に体温を測ったりするなど、「普段の自分の体調」というものをしっかりと把握しておくことが第一ですね。
どのような感染症でも、感染者=発症者ではありません。自身の免疫を落とさないことが重要です。そのためには、規則正しい生活リズム、栄養のある食事、十分な睡眠を心がけましょう。

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―現在は新型コロナウイルス感染症の第3波の流行もあり、
「風邪ではなさそうだけど、少し体調がおかしいかな?」と思っても、病院に行くのが怖い気がします。
 そのようなときには、どうしたらよいでしょうか?

そのようなときには、ぜひお近くの薬局・薬店・ドラッグストアの薬剤師に相談してみてください。薬剤師さんからのアドバイスをいただけます。
ここですべてを解決できるわけではありませんが、病院で診察すべき不調が疑われる場合には、しっかりと受診を勧めてくれます。
また、相談することによって費用が発生するわけではありませんし、薬局の中にはアプリによって顔を見ながら相談できるシステムを持っているところもあります。不調を感じた場合は、無理せず気軽に薬剤師さんを頼ってみましょう。

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―自分の健康を守るために大切なことが良くわかりました。
 ありがとうございました。

常備したいクスリや、医療衛生用品など

  • ●精神神経用薬
     解熱鎮痛薬、風邪薬など
  • ●呼吸器官用薬
     鎮咳去痰薬、うがい薬
  • ●循環器官用薬
     強心薬、高コレステロール低下薬、貧血用薬
  • ●消化器官用薬
     胃腸薬、整腸薬など
  • ●アレルギー用薬
  • ●感覚器官用薬
     目薬、耳鼻科用薬など
  • ●歯科口腔用薬
     口内炎用薬、歯痛・歯槽膿漏薬など
  • ●肛門用薬
  • ●外皮用薬
     外用殺菌消毒薬、外用鎮痛消炎薬など
  • ●女性用薬
  • ●滋養強壮保健薬
     ビタミン主薬製剤、ビタミン含有保健薬など
  • ●漢方薬
  • ●生薬製剤 など
  • ●体温計
  • ●血圧計
  • ●冷却シート
  • ●除菌シート
  • ●氷のう
  • ●マスク
  • ●ガーゼ
  • ●サポーター
  • ●三角巾
  • ●脱脂綿
  • ●包帯
  • ●絆創膏
  • ●綿棒
  • ●毛抜き
  • ●爪切り
  • ●ナイフ、ハサミ
  • ●ピンセット など

東京薬科大学では、講演などの依頼も承っています。お気軽にお問い合わせください。

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