ニュース&トピックス 2023年度より、東京薬科大学と東京医科大学病院の連携のもと薬学部4年次にワクチン接種実習を実施～有事対応時における薬剤師の職能拡大に向けた取り組み～｜プレスリリース

東京薬科大学(東京都八王子市　学長：三巻祥浩)は、2023年度より、東京医科大学病院との連携のもと、ワクチン接種実習を薬学部4年次における新たなカリキュラムとして開始しました。

2019年末より続くコロナ禍に於いて、新型コロナワクチン接種の担い手として、医師、看護師、歯科医師のほか、医師等を確保できない場合に限定して臨床検査技師や救急救命士が認められているものの、一部地域ではワクチン接種の担い手不足が問題となっていました。そのため、薬剤師もワクチン接種の担い手とする構想が上がりましたが、実践経験の不足を理由として見送られました。この現状を踏まえ、日本私立薬科大学協会は、薬剤師がワクチン接種に参画するためには実習経験を積む必要性があるとし、2022年5月19日付で加盟大学に対してワクチン接種に関する注射手技の実習を導入するよう要請しました。

東京薬科大学では、この要請に応える形で、ワクチン接種実習をカリキュラムに導入。薬学部4年次に行われる「実務実習事前実習」において、4年次生の実習グループ（9グループ、総数約420名）それぞれに実施されました。

実習では、ワクチン調製の練習の後、東京医科大学病院の医師である渡邉　秀裕　先生、小林　勇仁　先生の指導の下、構造的に腕を模したシミュレーターパッドを使用して正しい筋肉注射の方法を学びます。また、皮膚のシミュレーターパッドを用いた皮下注射の実習も行われます。実習では、患者への声掛けや接種する際の患者との位置関係、感染予防上の注意点についても修得します。学生は実際の接種手技を習得し、ワクチン接種の実践経験を積むことができます。今回のように医師を招聘した医療実習は、東京薬科大学において初めての試みです。また、薬学部において医療実習を実践するのは国内でも非常に稀なケースとなります。この連携によって、薬学部の学生たちは医師の指導の下で実際の医療行為を学ぶ貴重な機会を得ることができます。

東京薬科大学は、薬学部の教育プログラムの充実を図るとともに、社会のニーズに応えるための実践的な取り組みを推進してまいります。今回のワクチン接種実習はその一環として、東京薬科大学は引き続き充実した教育内容の提供と社会貢献に向けて努力を重ねてまいります。