学部紹介 学部長からのメッセージ
生命科学により未来を育む
“生命科学”は生物・生命を理解しようとする学問ですが、伝統的な“生物学”とは一線を画し、生物・生命を分子のレベルで理解しようとする点に特徴があります。これは、遺伝情報を保持するDNAや触媒などとして機能するたんぱく質の分子構造が半世紀ほど前に解明され、生命現象の基本が理解できるようになったことによります。その結果、驚くべきことに、バクテリアからヒトまですべての生物が基本的には同じ分子機構を利用して生きていることが分かってきました。しかし一方、生命を支える分子機構は非常に複雑で、今に至ってもそれが十分に解明できたとは言えません。他方、生命科学により得られてくる知見を我々人類に役立てるためのバイオテクノロジーが生まれ、多様な分野への応用が期待される一大産業へと発展しつつあります。
人類は現在、地球温暖化や食糧危機、新興感染症をはじめとする、人類の未来に影を落とす様々な問題に直面していますが、生命科学はこれらの問題に解決策を提示できる学問です。これは、生命活動が地球環境の形成において大きな役割を担ってきたことや、温暖化の原因が人類にあることを考えれば、容易に理解できます。生命科学部においても、これら問題を解決するための研究が進行中で、人類の持続的発展や未来の創造に様々な形で貢献していけると考えております。
生命科学部長 渡邉 一哉
本学部は、生命科学を発展させるために1994年に日本で最初に設立された生命科学部で、それ以来、医療、環境、食糧、化学、IT、教育など多様な分野に卒業生を送り出してきました。これは、生命科学が多様な産業の基礎となる学問だからでもあります。学生達は、本学部において生命科学を学び、多様な業種や職種に関連があることを知り、その中から自分が興味をもてるものを見つけ、社会にむけて翔び立っていきます。本学部では、このように多様な学生の興味を育むために、従来の生命科学の枠をこえた教育プログラムを構築しています。グローバルキャリアプログラムでは、国際社会で活躍する人材の養成を目指します。アントレプレナー養成プログラムでは、研究成果をビジネスに結びつけることができる人材を育てます。データサイエンスプログラムでは、近年社会や産業で重要度が飛躍的に高まっているデータサイエンスの素養を持った人材を育てます。また、未来創薬人養成プログラムでは、新時代の医薬品の創生を担う人材を育成します。現在、多くの学生がこれらプログラムに沿って学習し、自らの未来を育んでいます。
設立以来生命科学部は、高い進学率と就職率を維持して参りました。これは、個々の学生の弛まぬ努力に加えて、OB、OGの皆様、大学関係者や地域の皆様方の心温まるご支援のおかげと感謝しております。今後も、人類の未来を育む人材の育成と社会の持続的発展に貢献する研究に励んで参りますので、変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
生命科学部長 渡邉 一哉