学科紹介 DNA修復(DNA repair)

細胞内に存在するDNA分子も、細胞活動で生成する代謝産物によって酸化されたりメチル化されたりします。特にDNA中の塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)がこのような化学反応を受けるとその化学的性質が変化して、DNA複製の際に塩基の対合ミスが起きます。そうすると遺伝暗号が変わってしまい、結果として遺伝子突然変異が生じてしまいます。

これを未然に防ぐため、細胞内には、酸化やメチル化で生じた異常な塩基を見つけて取り除く酵素があります。取り除いた後は、別の酵素で正しい塩基が挿入されます。この一連の酵素反応課程をDNA修復といいます。

化学反応速度は温度が10℃上がると2〜3倍になると言われています。70℃という高温で生育している高度好熱菌と呼ばれる微生物は、酸化もメチル化も高頻度で起きます。食品科学研究室別ウィンドウで開きますでは、高度好熱菌のもつDNA修復酵素の特性を研究しています。