学科紹介 ストレス

ストレスとは、外から加わる刺激によって体内に“ゆがみ”や“変化”が生じているようすを表わす用語です。ニュースなどでよく耳にするストレスは、重すぎる課題、過剰の期待感や不安感などの心理的な“おもし”によって心の動きにあらわれる“ゆがみ”や“変化”に対応する言葉としてしばしば用いられています。

心理的な“おもし”に加えて、体にとって有害な環境汚染物質や放射線も外から加わる刺激の一つで、体内に“ゆがみ”や“変化”をもたらすストレス因子となります。また、寒さや、栄養素が不足する栄養不良もストレス因子です。さまざまな研究から、ストレス因子の種類が異なっても、臓器や細胞の内では共通のストレス反応が生じることが知られています。また、ストレス反応の異常は病気とも関連することが知られています。しかし、ストレス反応がどのような遺伝子やタンパク質によってコントロールされるのかは不明です。また、細胞内で起こるストレス反応がどのように“うつ”などの精神的な病気と関連するのかも解っていません。

環境応用動物学研究室(環境ストレス生理学研究室)別ウィンドウで開きますでは、ヒトや野生動物に現れるストレス反応の強さを物差しとして使って、環境汚染の度合いを測れないのかという課題に挑戦しています。また、ストレス応答性遺伝子の発現と精神疾患の発症との関連についても研究を進めています。