学科紹介 遺伝子

遺伝の法則で有名なメンデルはエンドウを栽培し、エンドウの種子、さや、そして、花の付き方などの形質が、親から子孫に遺伝するようすを詳しく観察しました。そして、優性の法則、分離の法則、独立の法則の3則を見いだしました。メンデルは親の形質の遺伝をになう因子を想定し、やがて、そのような因子が遺伝子と呼ばれるようになりました。

現代の遺伝学は遺伝子の本体がDNA(デオキシリボ核酸)であることを明らかにしました。ヒトが持っている遺伝情報は、46本の染色体に書き込まれた約30億塩基対のDNA配列として存在しています。その中に、約2万3千種類のタンパク質に翻訳される情報が存在しています。このことから、ヒトは約2万3千この遺伝子を持っているとも言えます。

ヒトの遺伝子数約2万3千個に対して、より下等なショウジョウバエの遺伝子数は約1万3千5百個です。さらに下等なセンチュウの遺伝子数は約1万8千5百個とショウジョウバエより多く、生物の複雑さと遺伝数は必ずしも比例していません。生物の複雑さは、遺伝子という部品の「組み合わせ」や「使い回し」の方法により密接に関わっているようです。

応用生命科学科では、微生物、植物、そして、動物の遺伝子や遺伝情報のほぼすべてを含むゲノムの情報を駆使して、人の健康と地球環境を守るための基礎研究と応用技術の開発を行っています。