学科紹介 環境ホルモン

環境ホルモンは環境中に存在する化学物質で、体内に取り込まれると、体内で作られるホルモンの正しい働きを阻害して悪影響を及ぼします。別名、内分泌撹乱化学物質とも呼ばれています。

動物体内の活動はホルモンという化学物質によって調節されます。ホルモンは微量で働き、ホルモンを作る内分泌器官から分泌されて、受容体に結びつき受容体を持つ細胞でその作用を発揮します。ホルモンは分泌される量が多すぎても少なすぎても、分泌のタイミングがずれても、体の成長や成熟に異常が現れます。

ホルモンとその受容体の関係はカギとカギ穴に例えられ、その形と大きさはぴったりかみ合うことによって、初めて受容体が活性化されると考えられてきました。しかし、研究が進むと、ホルモンというカギと受容体というカギ穴の「一部がかみ合うだけでカギは開く」、すなわち、受容体が活性化されることが解ってきました。このようなホルモンと受容体の働きは、環境中に存在する化学物質が動物の体中でホルモンのように働くものがあるという環境ホルモンの研究によって詳しい部分が明らかにされました。

環境ホルモンが、赤ちゃんのような発達中の体に入ると、特に悪影響が現れやすいことがあります。なぜこのようなことが起こるのか、今後とも詳しく環境ホルモンの研究を続ける必要があります。環境応用動物学研究室(環境ストレス生理学研究室)別ウィンドウで開きますでは、、巻き貝に悪影響を及ぼす環境ホルモンの研究を進めています。