学科紹介 藻類

藻類とは、光合成を行う下等な真核生物をまとめて表現した言葉である。

光合成を行う生物には、光合成細菌やシアノバクテリアなどの原核生物もあれば、陸上の“高等植物” (正確には維管束植物)もある。水界には、灰色藻、紅藻、緑藻、車軸藻など、“高等植物”へつながる真核生物のほか、クリプト藻、渦鞭毛藻、珪藻、ハプト藻、さらにクロララクニオン藻など極めて多様な真核光合成生物が存在する。前者のグループでは、もともとシアノバクテリアを起源とする葉緑体が細胞内共生によって成立し、その後進化したと考えられるが、一方、後者のグループでは、単細胞性の紅藻や緑藻が別の細胞に捕食されて二次共生して生じた種とされている。

そのため、葉緑体(前者の細胞)はふつう2枚の膜(包膜)で囲まれているが、後者のグループの細胞では、“葉緑体”(正確には有色体)は、3枚あるいは4枚の膜に囲まれている。単細胞性あるいはその群体などの微細な光合成真核生物をまとめて微細藻類とよんでいる。

紅藻や緑藻、褐藻にはさらに多細胞化し、大型化した種が存在する。なお、コンブやワカメで代表される褐藻は、微細藻類に含まれる種が見つかっていないとのことであり、二次共生によって生じた生物群である。多細胞化した藻類には、岩などに着く“根”(正確には仮根)が存在するが、維管束植物と異なり、仮根で養分(栄養塩)を取り込むのではなく、藻体全体で吸収する。(都筑)