遠藤 花歩

薬学部 3年(取材当時)

群馬県立中央中等教育学校 出身

マレーシアでの海外ボランティア。将来は途上国の薬の流通や開発に貢献を。

すべて英語だけの環境を。そんな思いからマレーシアでの海外ボランティア活動へ。

夏休みにマレーシアの養護施設(通称:ハウス)で2週間にわたる海外ボランティア活動を行いました。日本からは9名の大学生が参加しており、現地での主な仕事はハウスにいる子供たちの遊び相手、話し相手になること、昼食と夕食準備の手伝い、施設長らの手伝いで、その他にも臨機応変に対応しながら活動しました。ボランティアの活動時間は朝9時から夜21時の約12時間で、さらに私たちボランティアスタッフの宿泊場所は子供たちと一緒に過ごすホームステイ方式だったこともあり、実際は朝起きてから夜寝るまで子供たちと過ごしました。現地の子供たちとの会話は基本的に英語だったため、英語力がかなり鍛えられたと思います。

子どもたちの生活のために。医療人としてマレーシアで何を学ぶか?

ハウスには2歳から16歳までの子供たちが暮らしています。それぞれの年齢に合わせてマレーシアで流行している歌や手遊びを教えてもらったり、日本の遊びを教えたり、絵を描いたり、勉強を教えたりしました。それ以外にもマーケットで売るケーキ作りを深夜まで行いました。これらはハウスを運営していくにあたり一般の方々に知ってもらい支援してもらうきっかけになる重要な仕事だそうです。私たちボランティアスタッフは彼らの生活を支援することが目的であり、活動全体を通して常にハウスに住む方々の日常を阻害しないよう心掛けていました。

私が子供たちにできることはコミュニケーション。すべては「支えたい」という思い。

今回活動を行ったハウスに居住する子供たちは、様々な事情で親がいない子供や、家族と離れて暮らさなければならない子供たちでした。子供の人数に対して支援するスタッフが圧倒的に足りていないのが現状です。そのため子供たちは個人的な話や出来事を大人に話す機会がほとんど無いそうです。また減少傾向にはありますが、学校では未だに差別されることもあるそうです。そのような環境の中でたくさんのボランティアが協力し、彼らの話し相手となり、遊び相手となり、手をつなぎ、ハグすることで愛情を伝え安心感、自己肯定感を高めることが最大の目的だと教わりました。その話を聞いてからより一層愛情表現を大きくし、伝えるよう努力しました。それは私たちにとって難しいことではなく、「支えたい」と思う気持ちがあればできます。東京薬科大学にはボランティア活動の経費補助制度があるので、この機会を利用して多くの学生にこの現状を知ってもらい、海外でのボランティア活動に参加してもらえたらなと感じました。

将来は企業で発展途上国の薬の流通や開発などに携わりたい。

今回のボランティア活動では、初めは戸惑いや遠慮してしまったこともあり、自分が思うように行動できなかった場面も多々ありました。その反省を生かし、次の長期休みでも海外でのボランティア活動に参加したいと考えています。薬学部は学年が上がるごとに研究活動なども忙しくなってくるため、正直もっと早い学年から海外ボランティアに参加すれば良かったと感じました。思い立ったらすぐ行動すべきだったと後悔している部分もあります。それでもこの2週間の海外ボランティア経験で多くのことを経験できました。私はボランティア中に、マレーシアの衛生環境、病院や薬の処方代の話、薬の流通の現状を見聞きし、薬や医療について学んでいる学生の視点から、発展途上国の医療を取り巻く環境を考えることもできました。私はこの状況を自分の手で変えるべく、将来は企業で発展途上国での薬の流通や開発などに携わりたいと考えるようになりました。夢の実現に向けて、薬学だけでなく語学力の向上にも引き続き力を入れていきたいと思います。