大学紹介 卒業コンピテンス・コンピテンシーについて
本学では、卒業コンピテンスは「学則及びディプロマ・ポリシー等を踏まえ、本学卒業生が身に付けるべき知識、技能、態度を包含する実践力」、卒業コンピテンシーは「卒業コンピテンスを具体化し、知識の応用や実践力のレベルに応じて科目と結び付けて観察可能な能力」として、それぞれ定義しています。科目と結びつけることにより、本学の教育を通じて、コンピテンス・コンピテンシーを身に付けることが期待されます。また、定点的に自己評価を実施し、その成果を公表します。
教育プログラム全体としての到達目標の設定
卒業時までに身に付ける基本的資質を見据えた教育プログラム全体の具体的な指標を提示し、各科目が具体的に設定した指標のもとに評価されていることを学生に示し、教員間でも共有しています。
ディプロマポリシーを基盤とした卒業コンピテンスとコンピテンシーの設定
教育のアウトカムが卒業時に達成されているかを評価する必要があるため、卒業までの過程でこれらを評価可能にする卒業に必要な能力(卒業コンピテンス)と具体的な能力(コンピテンシー)を体系的に設定しました。
薬学部
薬学部では、薬剤師に求められる知識・技能・態度の基盤となる10の資質※に基づき、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーに沿った教育課程によって修得すべき卒業コンピテンス・コンピテンシーを作成し、平成30年度に導入いたしました。
※薬剤師に求められる10の資質
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薬剤師としての心構え
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患者・生活者本位の視点
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コミュニケーション能力
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チーム医療への参画
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基礎的な科学力
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薬物療法における実践的能力
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地域の保健・医療における実践的能力
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研究能力
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自己研鑽
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教育能力
- 薬学部の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー):学士(薬学)
- 卒業コンピテンス(卒業に必要な能力)
- 卒業コンピテンシー(各卒業コンピテンスの達成度を評価する具体的能力)
- コンピテンシー達成レベル
- コンピテンス・コンピテンシー調査結果
薬学部の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー):学士(薬学)
薬学部は、医療を担う薬学人にふさわしい人材として、以下の能力を備え、所定の単位を修得した学生には卒業を認定し、学位(学士(薬学))を授与します。
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豊かな人間性と生命の尊厳についての基本的な教養を身につけている。
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医療の担い手として、人の命と健康な生活を守る使命感、責任感及び倫理観を身につけている。
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薬剤師に必要な任務と法令を理解し、専門分野の基礎的な知識・技能・態度と実践的能力を修得している。
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地域医療、チーム医療等の現場で患者や他の医療従事者と良好なコミュニケーションをとり、チームの一員としての役割を果たすことができる。
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薬学・医療の進歩と改善に資するための研究的思考、問題発見・解決能力を身につけている。
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生涯自己研鑽を続けるために必要な情報の活用力とともに、次世代への指導能力を持っている。
卒業コンピテンス(卒業に必要な能力)
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生命・医療倫理(DP1、DP2に関連)
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コミュニケーションとチーム医療(DP1、DP2、DP4に関連)
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薬学及びその関連領域の知識(DP1、DP3に関連)
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薬物治療における専門的実践能力(DP3、DP4、DP5に関連)
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社会貢献(DP3、DP4に関連)
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薬学・医療領域における科学的探求能力(DP5、DP6に関連)
卒業コンピテンシー(各卒業コンピテンスの達成度を評価する具体的能力)
1)生命・医療倫理
薬剤師として患者・患者家族、同僚を尊重し、責任ある医療を実践するための態度を有し、生命の尊厳、患者の権利、守秘義務等について社会的責務を果たすべく医療と薬の倫理を遵守する。
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患者・患者家族の多様な背景を踏まえ、その立場を尊重した医療を考えられる。
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生命・医療倫理、ヒューマニズムに立脚し、法的責任と規範を遵守した医療を考えられる。
2)コミュニケーションとチーム医療
薬の専門家として、患者、同僚との信頼関係を確立できるように相手の心理・立場・身体的条件の基本的な知識と必要な情報を収集し、かつ提供できる。
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患者・患者家族・医療チームの同僚と、多様な背景を踏まえて傾聴、理解、共感・支持的態度を示すコミュニケーションを実施できる。
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患者・患者家族・医療チームの同僚との信頼関係を構築し、情報の収集、説明と同意などを実践できる。
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医療チームに参加し、協調的態度で役割を果たし、必要に応じて他者に援助を求めることができる。
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病院および地域社会におけるチーム医療に積極的に参加する。
3)薬学及びその関連領域の知識
薬学の基盤になっている以下の基本的知識、基本的技能、適切な態度を有し、応用できる。
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人間と薬学(生命・医療倫理、心理学、法規と倫理、社会と薬学)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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物理学(物理学、物理化学、無機化学、分析化学、放射化学)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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化学(有機化学、天然医薬品学、漢方薬物学、生体分子の化学)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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生物学(生物学、機能形態学、生化学、微生物学、免疫学)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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健康と環境(健康保持、疾病予防、生活環境と健康、食品の安全性と管理、化学物質と生体影響)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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医薬をつくる(物理薬剤学、生物薬剤学、製剤設計と薬物送達学、テーラーメイド医療)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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薬と疾病(薬理学、薬物治療、医薬情報)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
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薬学臨床(調剤学、医薬品安全性評価、一般用医薬品学、薬局・病院学、医療プロフェッショナリズム)の理解に基づき、医療・創薬の現場でその知識を応用できる。
4)薬物治療における専門的実践能力
薬学及びその関連領域の知識を統合し、基本的な技能・態度を修得し、患者の多様な背景を踏まえて科学的根拠に立脚した医療を実践し、評価できる。
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薬物の性質を理解して医薬品を扱うことができる。
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薬物の作用機序を理解して医薬品を扱うことができる。
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医薬品の多様な特性と法的な規制を理解し、調剤を実施できる。
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医薬品の多様な特性と法的な規制を理解し、医薬品を管理および供給できる。
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患者背景を適切に収集し、科学的な根拠に基づいた病態を把握できる。
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代表的な疾患に対する適切な薬物治療を、科学的な根拠に基づき提供できる。
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薬物治療を適切に評価できる。
5)社会貢献
医療的・社会的背景を把握し、社会の期待に応えるべく、医療、保健、衛生、行政、食品、香粧品などの分野を理解・把握し、かつ社会貢献の活動を通して、地域社会に基づく国民の健康と維持および疾病の予防に貢献する。
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地域におけるセルフメディケーションと在宅医療に積極的に関わる。
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地域社会に求められる保健衛生や社会奉仕に参加する責任感と態度を持つ。
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医薬品とその使用に関する医療的・社会的問題の解決に積極的に関わる責任感と態度を持つ。
6)薬学・医療領域における科学的探求能力
基礎、臨床、社会薬学の領域で科学的探求の意義を理解し、自ら課題を設定し必要な情報を獲得・理解しながら問題を解決する能力を有し、新しい情報を論理的に発信できる。また、薬剤師が生涯にわたり学習者であることを自覚し、自己の振り返りと他者との関係を構築できる。
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薬学・医療に関わる課題を発見し、その解決のための科学的理論と方法論を理解できる。
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薬学・医療領域の問題点を専門領域を超えて探求・解決する能力を有する。
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生涯にわたる自己研鑽を続け、医療の進歩に対応するために、必要な情報の活用力と次世代を育成する態度を有する。
3.コンピテンシー達成レベル
6年間に履修する各科目の認定により、各コンピテンシーが達成レベル(学習アウトカム)として認定されます。達成レベルは、1、2:マイルストーンbasic、3:マイルストーンapplied、4:キャップストーンの4段階で構成されます。(表1)
薬学部カリキュラムは、6年間の各科目を通じ全コンピテンシーでキャップストーンあるいはマイルストーンapplied レベルとなるように構成されています。(表2)
表1
コンピテンシー達成レベル | キャップストーン | マイルストーン applied |
マイルストーン basic |
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4 | 3 | 2 | 1 | |
1)生命・医療倫理 | ||||
薬剤師として患者・患者家族、同僚を尊重し、責任ある医療を実践するための態度を有し、生命の尊厳、患者の権利、守秘義務等について社会的責務を果たすべく医療と薬の倫理を遵守する。 | 薬剤師としての知識・態度を示せることが単位認定の要件である | 薬剤師としての知識・態度を模擬的に示せることが単位認定の要件である | 基盤となる知識・態度を示せることが単位認定の要件である | 経験する機会がない,あるいは機会はあるが,単位認定に関わらない |
2)コミュニケーションとチーム医療 | ||||
薬の専門家として、患者、同僚との信頼関係を確立できるように相手の心理・立場・身体的条件の基本的な知識と必要な情報を収集し、かつ提供できる。 | 知識・技能・態度を病院・薬局で実践できることが単位認定の要件である | 知識・技能・態度を模擬的に実践できることが単位認定の要件である | 基盤となる知識・技能・態度を示せることが単位認定の要件である | 経験する機会がない,あるいは機会はあるが,単位認定に関わらない |
3)薬学及びその関連領域の知識 | ||||
薬学の基盤になっている以下の基本的知識、基本的技能、適切な態度を有し、応用できる。 | 病院・薬局で問題解決に応用できることが単位認定の要件である | 問題解決に応用できる知識を示せることが単位認定の要件である | 基盤となる知識を示せることが単位認定の要件である | 修得する機会がない,あるいは機会はあるが,単位認定に関わらない |
4)薬物治療における専門的実践能力 | ||||
薬学及びその関連領域の知識を統合し、基本的な技能・態度を修得し、患者の多様な背景を踏まえて科学的根拠に立脚した医療を実践し、評価できる。 | 実践できることが単位認定の要件である | 基盤となる態度・技能を示せることが単位認定の要件である | 基盤となる知識を示せることが単位認定の要件である | 修得する機会がない,あるいは機会はあるが,単位認定に関わらない |
5)社会貢献 | ||||
医療的・社会的背景を把握し、社会の期待に応えるべく、医療、保健、衛生、行政、食品、香粧品などの分野を理解・把握し、かつ社会貢献の活動を通して、地域社会に基づく国民の健康と維持および疾病の予防に貢献する。 | 実践できることが単位認定の要件である | 基盤となる態度・技能を示せることが単位認定の要件である | 基盤となる知識を示せることが単位認定の要件である | 修得する機会がない,あるいは機会はあるが,単位認定に関わらない |
6)薬学・医療領域における科学的探求能力 | ||||
基礎、臨床、社会薬学の領域で科学的探求の意義を理解し、自ら課題を設定し必要な情報を獲得・理解しながら問題を解決する能力を有し、新しい情報を論理的に発信できる。また、薬剤師が生涯にわたり学習者であることを自覚し、自己の振り返りと他者との関係を構築できる。 | 実践できることが単位認定の要件である | 基盤となる態度・技能を示せることが単位認定の要件である | 基盤となる知識を示せることが単位認定の要件である | 修得する機会がない,あるいは機会はあるが,単位認定に関わらない |
表2
表2は以下よりご確認下さい。
コンピテンス・コンピテンシー調査結果
平成30年度
令和元年度
生命科学部
生命科学部では、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーに沿った教育課程によって修得すべき卒業コンピテンス・コンピテンシーを作成し、令和元年度に導入いたしました。
- 生命科学部の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー):学士(生命科学)
- 卒業コンピテンス(卒業に必要な能力)
- 卒業コンピテンシー(各卒業コンピテンスの達成度を評価する具体的能力)
- コンピテンシー達成レベル
生命科学部の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー):学士(生命科学)
幅広い生命科学領域の基礎知識および技能と、自らを教育し、他者と協働し、論理的かつ柔軟に未知の課題を解決する能力と態度を持ち、グローバルな視点を身につけた研究者・技術者・実務者を育成します。生命科学部は各学科が定める基準に到達した学生の卒業を認定し、学位(学士(生命科学))を授与します。
卒業コンピテンス(卒業に必要な能力)
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a.専門力
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b.課題解決力
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c.協働力
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d.自己教育力
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e.国際力
卒業コンピテンシー(各卒業コンピテンスの達成度を評価する具体的能力)
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自己管理
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計画
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実行
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コミュニケーション
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周囲への働きかけ
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情報収集
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英論文読解
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課題発見
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課題解決
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批判的思考・論理的思考
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文章表現
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プレゼンテーション
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ディスカッション
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倫理観
3.コンピテンシー達成レベル
4年間に履修する各科目の認定により、各コンピテンシーが達成レベル(学習アウトカム)として認定されます。達成レベルは、1、2:マイルストーンbasic、3:マイルストーンapplied、4:キャップストーンの4 段階で構成されます【表1】。
生命科学部カリキュラムは、4年間の各科目を通じ全コンピテンシーでキャップストーンあるいはマイルストーンapplied レベルとなるように構成されています【表2】。
表1

【表2】は以下よりご確認下さい。