学科紹介 鉄鉱石と生物
身の回りで使われている鉄は、大部分が輸入された鉄鉱石から、製錬されて、様々な形に加工されて使われています。鉄鉱石は、地球の火山活動などで 作られたのではないかと思っている人も多いと思いますが、実は作られる過程で生物が重要な役割を果たしています。その生き物とは、どういう生き物でしょうか?
現在、製鉄で使われている鉄鉱石は、シアノバクテリアという、植物プランクトンが作ったことが、分かってきました。昔は、鉄は海中に大量に溶けていました(当時は、大気中の酸素の濃度は今よりも低く、鉄は鉄イオン(Fe2+)として、水に溶けていました)。ところが、シアノバクテリアが光合成を行って酸素を作り始めると大気中の酸素濃度が上がってきて、鉄はその酸素で酸化され、酸化鉄に変わっていきます。こうして作られた酸化鉄は、 水に溶けにくく沈殿するため、海の底に酸化鉄が沈殿し続け、堆積して、長い時間かけて水成岩となりました。この岩は縞状鉄鉱床と呼ばれて、大規模なものが オーストラリアなどで見られます。