私の職業は臨床開発モニター（CRA）です。新薬の誕生には長い開発期間が必要で、様々なテストを繰り返し、最終的に人にどれだけ効力があり、安全であるかを確認する「治験」がおこなわれます。その治験がきちんと法律を守って、倫理的にも科学的にも適切に実施されているかを確認し、信頼性の高い治験データを集約するのが主な仕事になります。
情報収集とコミュニケーションが大切
集約した治験データは新薬承認申請の資料として使われますが、内容に不備があったり治験の進行が計画より遅れると新薬の開発元である製薬会社や医療機関に迷惑をかけてしまうことに。結果として新薬を待ち望む患者様を待たせてしまうので、日頃から臨床試験に関する法律のチェックや製薬業界に関する情報収集、医学的知識の習得は欠かせません。また、医師をはじめ様々な立場の方と一緒に仕事をするため、何より円滑なコミュニケーションを常に心がけています。
努力を重ね、携わった薬が世に送り出されたときの達成感はひとしおです。
薬を扱う仕事なのでCRAは薬剤師に向いている職業と思われがちです。つまり、理系出身者が重宝されるイメージかもしれませんが、決してそうではありません。私は高校時代に将来の目標が見つけられず、唯一好きな科目だった生物を探求したいと思い東京薬科大学生命科学部へ進学しました。正直、ほかの理系科目はそこまで得意ではなかったのですが、大学で理学と薬学にまたがる幅広い領域を修得して今に至っています。何事にも興味をもって取り組める人です。薬学の世界はまさに日進月歩で、常に最新情報を得ていないと取り残されます。私は今、抗がん剤領域の治験に携わっているので、有益な情報が得られそうな勉強会や講演会には積極的に参加しています。努力を重ね、携わった薬が世に送り出されたときの達成感はひとしおです。
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