ニュース&トピックス 「高校生物発展講座−高校教員(理科)対象−」全3回 終了しました。
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2019.12.06
■「高校生物発展講座」のアンケート結果の一部を紹介します。
「講座の『内容』は適切でしたか」
→ 大変有意義だった:65%,有意義だった:35%,あまり有意義ではなかった:0%,有意義ではなかった0% (講座3回の平均)
「来年もこの講座を実施した場合『知人に紹介したい』ですか」
→ ぜひ紹介したい:40%,紹介したい:60%,あまり紹介したくない:0%,紹介したくない:0%
【参加者の感想】
・忙しい中でも「聞きに行こう!」と感じることができる講座です。自分の見方とちょっと違った角度から話してくださるのがよいです。
・非常に興味深い内容でした。まさに「無知の知」という感じで,新しいことを今回知り,もっと学びたいという感覚を覚えました。生物の教科書は
「~がわかる」が多く,「~ができる」が少ないという言葉に,私が今まで授業をする中で感じていた物足りなさがわかった気持ちです。
■2019 第3回 11/29(金) 18:30~19:50 東京薬科大学千代田キャンパス
「私たちは生命をつくれるか? ~合成生物学のはなし~」 応用生命科学科 冨塚一磨教授(生物工学研究室)
映画「ジュラシックパーク」,ケナガマンモス再生プロジェクト,合成ゲノム(DNA)によるマイコプラズマ作成などを例に,生物をつくる時代の到来が現実であることが告げられ講義が始められた。
天然のゲノム(設計図)に手を加える遺伝子工学によって医薬品や農作物が生産されているだけでなく,現在は,天然の細菌ゲノムを手本にDNAを化学合成して人工細菌をつくることが可能になり,人工細菌作成の課題は技術ではなく,倫理・環境・費用面であることが解説された。
天然のゲノムを手本にパソコンとDNA合成装置で人工細菌をつくることは可能であるが,人が白紙の状態から「生命の設計図を書ける」ようになるまでの道のりは長く,これからの研究の成果に期待されることにも触れられた。
■2019 第2回 10/25(金) 18:30~19:50 東京薬科大学千代田キャンパス
「宿主細胞内におけるレジオネラの多彩な生存戦略」生命医科学科 新崎恒平 准教授(分子細胞生物学研究室)
ヒトの細胞・細菌・ウイルスの構造や増殖形態の違いを確認後、ウイルスにも構造によってアルコールが効くウイルスと効かないウイルスがいることが解説され講義が始まった。
ウイルスのヒト細胞内での増殖機構についてインフルエンザウイルスを例に、また、病原菌のヒト細胞への侵入方法や小胞輸送を利用した感染経路については、サルモネラとレジオネラを例に挙げ、最新の研究を交えて講義がすすめられた。
講義の最後には、オートファジーが自食を介した飢餓への対応のみならず、細胞内病原菌の排除機構としても働くことを概説し、レジオネラがオートファジーを遮断する分子機構の解説も行った。
■2019 第1回 高校生物発展講座 9/27(金)18:30~19:50 千代田キャンパス
「ケミカルバイオロジーによる生命現象の理解」分子生命科学科 伊藤昭博 教授(細胞情報科学研究室)
化学を出発点として生物を理解する「ケミカルバイオロジー(化学生物学)」と,生命現象を出発点としてそれらを構成する要素に分けて化学で説明する「バイオケミストリー(生化学)」の違いの解説から講座が始められた。
学問領域「ケミカルバイオロジー」を生み出した「免疫抑制剤:FK506 」の開発の背景として,免疫抑制剤探索の戦略や作用機構解析などについて実際の実験方法を例示しながら講義がすすめられた。
後半は,エピジェネティクス研究の最先端の情報として,ヒストンの化学修飾と遺伝子発現機構の関係性について解説され,臨床の現場で使用されている薬の中に日本の研究者が発見したものがあることにも触れられた。
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