大原 夏帆

ポーラ化成工業株式会社 フロンティア研究所

私立志學館高等部 出身
薬学部 医療衛生薬学科 生化学教室 卒業

化粧品を通して、世界中の人に感動を届けたい。

化粧品感触を紐解き、新たな化粧品価値を創出する

現在基盤研究を担う部署に所属し、化粧品感触の研究に従事しています。具体的には、感触の定量的分析や感触に寄与する要素の探索を行っています。
感触は複数の要素で成り立っているため、未解明な部分も多く、研究を進めるにあたって新たなものにチャレンジする機会が多いです。感触は定性的な要素が多いため、定量的に分析するためには固定観念に捉われず、自分で新たな仮説を設定し、実証していく必要があります。時には壁にぶつかることもありますが、前例がないからこそ、壁の先には大きな価値が待っている、と考え日々研究に邁進しています。
基盤研究として無限の可能性に向けて挑戦できる点や、新たな化粧品価値を創出できる点が魅力です。
私が研究している感触は直接的に人の心に影響を与えることが可能であるため、将来自身の研究成果がお客様の感動や喜びにダイレクトに繋がっていく点にやりがいを感じています。

「世の中から肌悩みをなくしたい」と考え、皮膚のスペシャリストを目指す

私自身肌悩みを抱えていたため、「世の中から肌悩みをなくし、自分と同じように悩んでいる人を救いたい!」と考え、皮膚研究という仕事を志望し、薬学部へ入学しました。
大学在学中に皮膚研究を行っている研究室に所属し、3年間ざ瘡(ニキビ)研究に従事しました。大学での研究を通して、解明されていない事象を探求する面白さを知り、改めて皮膚研究に従事したいという気持ちが高まり、自分の目指す将来像を明確にしました。
肌を改善する手段として医薬品、化粧品どちらも重要であると考え、医薬品・化粧品の研究を行っていたポーラ・オルビスグループへの就職を決めました。
現在の職場では大学時代に学んだことを存分に発揮することができ、実際に入社1年目で配属となった医薬品研究では大学で習得した薬学的知識、2年目以降の化粧品研究では研究室で習得した肌科学を活用しながら業務を進めています。自身の夢の第一歩として、日々楽しく研究に取り組んでいます。

海外研修での経験が研究員としての礎に繋がった

大学5年生の夏に参加した南カリフォルニア大学(USC)の米国臨床薬学研修での経験が現在の仕事に活かされています。アメリカの医療は日本と異なる点が多く、物事に対する考え方が180度変わったという経験があります。
このことから、新しいことにチャレンジするときは固定観念に捉われず、柔軟に物事を考える事ことが重要であると学びました。新しいことに挑戦していく研究員は、このような姿勢が重要であると考えています。現在仕事も行うときも、自分の考えや軸を明確にしたうえで、常に視野を広く持ち、網羅的に検討することで研究の最適化を図っています。

自分のやりたいことを見つけ、とことん極める

大学時代は「自分のやりたいことを見つけ、それに向けて準備する期間」だと考えていました。
私は自分のやりたいことを見つけるために、6年間積極的に授業に参加しました。東京薬科大学では国試に向けた授業だけではなく、様々な業界で活躍している卒業生による授業も数多く行われています。
これらの授業を通して、薬剤師は病院や薬局勤務に留まらず、製薬など様々な業界で活躍できることを再認識しました。
そこで以前から興味のあった皮膚研究に従事するため、3年生の後期より「皮脂と細胞外マトリックスの協調による健康と美の追求」をテーマにした生化学教室に所属しました。4年後期からは本格的に研究が始まり、毎日実験の日々でした。目的やゴールを意識し実験を行い、実験結果を考察し、次の実験へつなげていくことで、研究に必要な考え方の礎を習得しました。これらの経験や考え方は現在の仕事にも活かされています。

化粧品を通して、世界中の人に感動を届けたい

シミやしわを改善、予防する「機能的価値」と、感触や香りをはじめとする「感性価値」を兼ね備えた化粧品の開発することを目標としています。具体的には化粧品感触に重要な要素を特定し、すでに機能的価値を有する化粧品に応用することで、化粧品の付加価値向上を目指しています。
将来的には自身の夢にあった通り、東京薬科大で習得した生物、薬学、化学等の専門知識を活用し、化粧品に留まらず、「世界から肌悩みをなくす」製品の研究開発にも携わりたいと考えています。