山口 泰暉

薬学部 医療衛生薬学科 6年(取材当時)

神奈川県立多摩高等学校出身

がん患者さんに貢献できる創薬研究者を目指して―「伝える力」と「解決能力」|私の学修成果

6年間の学修成果

  • 大学院博士課程に進学
  • 原因を見定め、結果を導く「問題抽出&解決能力」
  • 相手に合わせて研究を「伝える力」
  • 「チャレンジ精神」から得られる広い交流・広い視野

学内での研究発表、学会発表を経験し実感した「伝える力」の重要性

自分は今、何を目的とし、何を行っていて、どのような成果があったのか。研究の内容を相手に理解してもらい、質疑や反応をもらうことで、その時の自分にはなかった視点や考え方を吸収し、さらに研究を発展させていくことができる。東薬での6年間の学び、研究活動、学会発表を経て、自分が行っている研究の内容を相手に伝える力、さらに研究におけるコミュケーションの重要性を実感しました。
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研究の内容を伝える際には、相手に合わせて使う言葉を考え、発表資料には視覚的にイメージできる図表を意識的に使用するなど、さまざまな工夫を凝らしました。この学びを活かして、薬剤学会をはじめとする国内学会4件、国際学会1件で発表を行い、さらには優秀ポスター賞、学部学生七つ星薬師奨励賞を受賞することができました。

実験の中で訪れる失敗や思わぬ結果の原因や問題点を抽出し、正しい結果を導く

私はドラッグデリバリーシステムの研究をしており、遺伝子や核酸を用いた新たながん治療システムの構築を目指しています。いくつかのテーマを掛け持ちして研究を行っていますが、多くの実験を行う上で、失敗や予期しない結果になることもありました。そのような時、教員とのディスカッションを経ながら、原因や問題点を抽出する力や、正しい結果に導くための知識と実験スキルを身に付けました。また、結果が正しいか誤りか、ということだけでなく、異なる視点から見たときにどのように評価できるのか、といった多角的な視点を持てたことも、研究を進めるうえで非常に大切なことだったと感じています。
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何事にも臆さずにチャレンジすること。そこから得られる広い交流、広い視野

「何事にも臆さず、まずは挑戦してみる。」――大学6年間、チャレンジ精神をモットーに、新しいことにも果敢に挑戦することを心がけていました。たとえば、

  • 主体的に研究活動を進め、国内外の学会に参加したこと。
  • バスケットボール部と生化学研究部では部長を務め、部員と協力しながら活動を行ってきたこと。
  • 「脱炭素かわさき市民会議」に参加し、脱炭素社会の実現に向けて市長に提言を行ったこと。
  • 宿を決めずに海外を渡ったり、旅先で偶然知り合った外国の方と友人になったこと。
  • 1年生の頃、リーダーシップ論という授業で講師として来ていただいた企業の方に誘われ、企業の人材育成セミナーに参加させていただいたこと。
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その他にも多くの挑戦をしてきました。これらの経験を通じて、自分自身もチームワークやリーダーシップ、探求心、コミュニケーション能力を養うことができたと感じています。またそれ以上に、違う学部、違う年代、違う国の多くの方々と知り合うことができ、その時々で自分には考えもしなかった考え方、生き方などを知ることができました。この経験から得られた広い交流や、自分だけでは持ちえなかった広い視野を身に付けられたことが、自分にとっても非常に有意義なことだったと思っています。

患者さんのために貢献できる創薬研究者へ

もともと、「副作用が少なく効果的ながんの治療薬を作って苦しむ患者さんを助けたい」といった思いと目標をもって薬学部に進学し、6年間の学びを経て、より高度ながん治療薬研究をするために大学院進学を決めました。自分自身も、学部生活で得られた学修成果をさらに向上させ、ゆくゆくは創薬研究者への道を進みたいと考えています。

いつか、がんで苦しむ患者さんのための新薬を開発し、患者さんのために貢献できるように、これからも励んでいきたいと思います。

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