遠藤 輝

薬学部 医療薬物薬学科 6年(取材当時)

栃木県 私立 國學院大學栃木高等学校

大学で身に付けた「困難を乗り越える継続力」と「失敗から学ぶ課題解決能力」

医薬品を通じて人々の健康を支える道を目指して

私が薬学部を志望したのには、父の持病が影響しています。持病への適切な医薬品が見つからず、その苦労を間近で見てきました。この経験から、高校2年生頃から、患者に適切な治療を提供する薬剤師としての役割に関心を抱き、「自身の能力を最大限に生かし、医薬品を通じて人々の健康を支える道に進みたい」と思いました。

東京薬科大学は自身の実力に合った大学であり、伝統があることで学生を育てていく教育環境が整備されていると感じました。また、高校時代に参加したオープンキャンパスで、東京薬科大学の雰囲気が自分に合っていると感じ、将来の自分の姿を思い描くことができた事も、志願しようと思った理由です。

自身の成長と将来選択につながった大学での学び

低学年次、有機化学、物理科学の科目が再試験になってしまった経験は、自分の勉強の仕方を見直す契機となりました。漫然と勉強するのではなく、「各科目が自分にとってどれだけの難しさで、修得するためにはどのくらいの時間が必要か」といった、自身を客観視する力、プライオリティを判断する力、そしてスケジュール感覚と計画力を大事にする学修を心掛けました。この力は、以降の自身の成績を向上させ、自分自身を成長させるためのきっかけとなったと感じます。

また、5年次の実務実習で、医療現場の実情を学べた為、治療が思い通りに進まない事を実感できました。それだけでなく、実際の症例において学んできた知識を適切な薬剤選択に繋げる事の難しさを理解できました。薬剤師としての判断が患者さんの命に直結している事を実感し、患者さんの命を預かる事の難しさを学びました。
実務実習ではICU(集中治療室)などの業務も経験させていただき、救えない命があることも学びました。この経験から、自分は臨床現場よりも新薬開発などを通じ、よりたくさんの人の命を救える可能性を生み出していきたいと考えるようになりました。

研究を通じて実感した「諦めずに続けることの大切さ」

私の研究は「マウス血管性認知症モデルを用いた海馬歯状回神経新生の病態生理学的変化」に関するものです。研究室でもまだ始まったばかりの新しい研究分野であり、脳血管性認知症における病態を解明するために行われています。脳血管性認知症は有効な治療法が存在せず、アンメットメディカルニーズとしてその解明が求められています。
脳内の神経幹細胞が脳機能の維持や回復に関与していると考えられており、この細胞がニューロンとなっていく神経新生に焦点を当てました。海馬歯状回における神経新生の機序を解明すれば、脳血管性認知症の根本治療になるのではないかと考え、新たな治療法の提案を目指しました。

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この研究ではマウスの行動や病態の観察、神経新生の解析などを行っていきました。新しい研究内容ですので、スタートは困難でした。まずは多くの論文を精読し知識を身に付け、研究室の先輩や先生にも何度も相談し、計画を練り研究に着手しました。ですが、予期せぬ失敗や、一つの結果が出るまでに予想以上に時間がかかることもあり、計画通りに進まないことも多く大変でした。

このような失敗から問題点や改善点を抽出し、優先度の高いと考えられるものから一つずつ諦めず対処していくことによって、結果が出るようになりました。研究の成果を実感できた時にはとても嬉しかったです。

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将来の自分の目標は

将来は治療不可能であるアンメットメディカルニーズに属する疾患の新薬開発に最前線で携わりたいと思っています。また、医薬品による有害事象を減らすために医薬品の安全性の確保にも従事したいと考えています。そのためにも、製薬関連の仕事に就き、大学で身に付けた知識や学修成果を発揮していきたいと思っています。父の病気と同じ疾患で苦しむ人々や、適切な治療薬を待ち望む多くの人々を助けたい。それが今後の自分の目標です。

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私の将来の夢は

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