大学紹介 第82回　薬剤師勉強会

要旨：現在、医師の約9割が何らかの治療目的で漢方薬を処方した経験をもっており、さらに約5割の医師は日常診療で漢方薬を処方していると言われています。西洋薬を補完する目的で漢方薬が処方されているほか、西洋薬で著効がみられないため、漢方薬を中心に治療が試みられている場合もあるかもしれません。このような背景から、漢方薬に精通した薬剤師の先生も増えていると思います。一方で、漢方薬はどうも苦手で分からないと感じられている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。薬剤師教育が6年制になる以前は、生薬系科目の講義は生薬各論や天然物化学が中心で、漢方薬については講義で簡単に紹介するに過ぎませんでした。何となく漢方薬に馴染めないのも、学生時代に漢方薬を学ぶ機会がなかったためと推察しています。
新一般用漢方処方の手引き（日本漢方生薬製剤協会監修、じほう、2013年）には294種の漢方処方が収載されており、そのうち148種が保険適用となっています。また、第十八改正日本薬局方には37種の漢方エキス剤が収載されています。本勉強会は、90分2コマという短い時間ですので、漢方薬ひとつ一つの解説をすることは避け、漢方における疾患の捉え方、エビデンスに基づいた現代医療における漢方薬の適用例、漢方薬の副作用と使用上の注意点に焦点を絞って、できる限り平易に説明していきたいと思います。
本勉強会で学ばれたことが、明日からの薬剤師業務に少しでもお役に立てば幸いです。

・漢方の基礎：漢方における疾患の捉え方
・現代医療と漢方：統合医療としての漢方薬の役割

受付　身分証明書をご提示ください。

※11:00～11:30に受付を済ませた方は、３F　3303・3304講義室でお待ちください。