大塚 元瑛

株式会社 メディサイエンスプラニング 臨床開発部

茨城県立水戸桜ノ牧高等学校出身
生命科学部 分子生命科学科 卒業

大学で身に付けたチャレンジ精神と探究力を活かし、新薬開発を通じて多くの患者さんを助けたい。

苦しんできた多くの患者さんに、新たな医療を提供できるというやりがい

現在私は、株式会社メディサイエンスプラニング(開発業務受託機関)にて、抗悪性腫瘍薬のCRA(臨床開発モニター)及びプロジェクトリーダーとして従事しています。

私たちの仕事は、主に薬剤が市販される前の段階で行われる臨床試験において、患者さんの安全等が保持されたうえで臨床試験が適切に実施されていることを確認し、臨床試験の科学的質や成績の信頼性を確保することです。このようにして得られた臨床データを基に、厚生労働省から新薬として製造販売承認が取得され、必要な医療を患者さんに提供することができます。CRAはこうした新薬開発の役割を担えることが魅力であり、新たな医療を患者さんに提供することをやりがい・モチベーションとして感じることができる職業です。特に、プロジェクトリーダーは、プロジェクトに関わるCRA全体のリスクマネジメント力も必要になります。その施設が適切に試験を行っているか、CRAがどのような対応をしているか等を逐次把握し、問題が起こりそうな場合は他のCRAに共有してリスクヘッジしています。

また、私たち開発業務受託機関のCRAは、製薬会社のCRAとは異なり、疾患領域問わずにさまざまな薬の開発に携われるのも魅力のひとつです。

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大学に入学して感じた魅力と、大学生活を通して身に付けた「チャレンジ精神」・「探究力」

高校生の時、漠然と人体の機能について興味を持っていました。そこから生命科学関連の大学を調べはじめました。中でも東京薬科大学を志望したのは、研究設備や研究内容の幅広さ、薬学や理学の知識を幅広く身に付けられるという点に魅かれたためです。

入学して初めて分かったのですが、英語の授業など、学力レベルが同じくらいの少人数クラスに分かれて行われる授業があり、それぞれの学生の理解度に合ったスピードで進行していきました。このような学修に関する面倒見の良さが嬉しかったです。

また、人体の機能を学修できた生理学の授業が特に印象に残っています。ここでの学びが、4年次に「脳神経科学研究室(現:分子神経科学研究室)」に所属したきっかけにもなりました。現在でも、当時の生理学の教科書などを読み返して、「なぜ患者さんにその症状が発現したのか?」を確認するなど、仕事に活かしています。

研究室では、人体機能のうち、特に味覚に関する研究をしていました。ヒトはどのように味覚を感知するのか、事前に計画書を作り、周囲の人からデータを取得して研究するという内容です。進めるためには、研究に使用するデバイスの作成が必須であり、電子工作技術やプログラミングを独学で学んでいました。指導教員からも、まずは自分で考えるということを強く指導されました。そういった経験からも、大学で一番身に付いた力は、分からないことを自分で調べて理解する「チャレンジ精神」「探究力」だと思います。

分からないことを徹底的に調べて真に理解する「チャレンジ精神」「探究力」が、CRAという職に活かされている

いま私が就いているCRAという職は、4年次に研究室の先生に紹介されたことをきっかけに知りました。調べていくうちに、研究室での自分の研究の進め方と治験というものの進め方に近しさを感じ、興味を持ちました。その後、研究室のOBから、CRA職のやりがいや社会貢献性を教えてもらったことで、最終的には、治験をモニタリングする職に就こうと思いました。

現在の仕事で取り扱う薬剤やその対象疾患がどういったものなのか、誰もが1から勉強という手順を踏むことになります。そういった点で、大学で身に付けたチャレンジ精神と探究力、すなわち自ら徹底的に調べ上げて、開発しようとしている薬がどういったものなのかを真に理解する力は非常に役立っています。

後輩へのメッセージ

自分自身「これがしたい」「こうなりたい」から東薬に入りたい!と具体的に思い描いて入学したわけではありませんでした。ですが、東京薬科大学は幅広い分野を学習でき、多様なキャリア選択が可能な環境です。漠然とした興味から具体的な進路のイメージを形作ることができるところです。私も、大学に入学して受けた生理学の授業がきっかけで、脳神経科学研究室に所属しました。さらに、そこでの研究生活がきっかけとなり、CRAという職に就いて、現在プロジェクトリーダーとして業務にあたっています。今はまだ具体的な目標を持っていなくても、自分が興味を持っている何かを幅広く学べる、こういった点も進路選択のポイントとして検討いただけると良いと思っています。

_S0A0888_900x600.jpg「私にとって、東京薬科大学は」