ニュース&トピックス 幹細胞制御学研究室の花田賀子さん(修士)、深沢薫平さん(修士)らの論文がInflammation and Regeneration誌に受理されました

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2021.11.02

論文タイトル: Endothelial-specific depletion of TGF-β signaling affects lymphatic function

 著者 : Kunpei Fukasawa, Kako Hanada, Kei Ichikawa, Masanori Hirashima, Takahiro Takagi, Susumu Itoh, Testuro Watabe, and Fumiko Itoh*   (*:責任著者)

雑誌 : Inflammation and Regeneration

日本人の死亡原因第一位は悪性新生物(がん)であり、がん転移が患者の予後不良に強く相関します。TGF-βは進行がんにおいて多量に産生されるサイトカインであり、腫瘍増殖・転移促進因子として働いています。本研究では、リンパ管内皮細胞特異的にTGF-βシグナル欠損させた遺伝子改変マウスを利用して、リンパ管に与える影響を検証しました。その結果、TGF-βシグナルの欠失は、リンパ管の構造が異常となること、リンパ流の流れが低下すること、腫瘍のリンパ節転移が抑制されることを明らかにしました。本研究は、腫瘍組織のTGFβシグナルを遮断が腫瘍のリンパ行性転移を抑制できる可能性を示唆します。今後は、TGF-βシグナルの制御により腫瘍リンパ行性転移阻害やリンパ浮腫の治療法開発に貢献したいと考えています。

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