清水　悠太

山梨県立中央病院薬剤部　主任薬剤師／外来がん治療認定薬剤師

山梨県立日川高等学校　出身

東薬の恩師下枝先生の教えを胸に、患者さんのため、そして後進のために貢献できる薬剤師であり続けます

今日の自分を形成する、下枝先生から学んだ「薬剤師の専門性」と「研究マインド」

病院薬剤師として山梨県立中央病院に勤め9年目。今の私があるのは、東京薬科大学の恩師である下枝貞彦先生のご指導があったからこそだと感じています。

母が飲んでいた薬に興味を持ち、漠然と医療の道に進みたいと思っていました。東薬を選んだ理由は薬系大学の中でもOBが多いことや、知り合いの薬剤師からの勧めによるものでした。

入学後に興味を持ったのは、実務や臨床に関する科目でした。特にがん専門薬剤師である下枝先生の授業では、臨床に携わる薬剤師の話を聞くことができ、興味関心を刺激されました。これがきっかけで、4年次の研究室配属で下枝先生の研究室を選択しました。

研究室配属後、下枝先生に指導いただく中で、武蔵野赤十字病院に同行し、カンファレンスに参加させていただく機会がありました。ここで、下枝先生が医師に対して、薬物療法に関する適切な情報提供を行っていたことやディスカッションをしていたことが印象に残っています。病院での実務実習でも知ることができなかった薬剤師像を目の当たりにし、改めて病院薬剤師になりたいと思いました。また、下枝先生からは研究室での活動を通して、病院薬剤師の専門性や研究マインドを持つことの重要性を学ぶことができました。

恩師　臨床薬剤学教室　下枝貞彦教授。
先生の下で多くのことを学びました。

下枝先生から教えていただいたことの中で印象的だったのは、

『医師・看護師が困っていることや疑問に感じていることに対して、自施設でのデータを分析し、その結果や傾向に関する情報を共有したことで、感謝されたことや信頼を得られたこと』
『自身の研究内容を学会や論文等で発表することが、患者さんのより良い治療につながるということ』

です。今、理想の薬剤師像を持って病院薬剤師として従事できているのは、下枝先生から教えていただいたマインドがあるからこそだと感じています。

東薬で得られた一生モノの友人関係

東薬在学中は陸上競技部に所属していました。全国各地への遠征や夏季合宿は今でも良い思い出です。その活動を通じて、友人関係を構築することができ、現在も交流を続けています。

研究室でも友人に助けられました。特に6年次の国家試験対策では研究室でともに勉強しました。

東薬では充実した国家試験の対策プログラムを組んでおり、積極的に参加していました。それ以外の時間は研究室で友人とともに毎日国家試験の勉強をしていました。私が合格できた一番の要因は、研究室の仲間と勉強することでモチベーションを保てたとともに、分からないところを教え合うことで効率的な学習を行えたことや息抜きの休憩ができたことが大きいと思います。また、東薬は落ち着いて集中できるスペースが多く環境が整っていたので、効率的に勉強することができました。

患者さんにとってより良い薬物治療を実践するために

現職の病院薬剤師としては、病棟業務を担当しています。入院する患者さんが自宅で服用している薬を確認する「持参薬報告」、新しく始まった薬の飲み方や注意事項を説明する「服薬指導」、
その他に医師・看護師から薬に関する問い合わせに対応しています。チーム医療の中で医師や看護師と問題点や改善点を話し合い、薬の専門家として薬の提案をしたり、医師の処方内容が患者さんにとって適切か、看護師さんの薬の投与方法が適切か確認を行っています。

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病棟業務では、医師や看護師など医療者と患者さんの治療計画について話し合うことも多いですが、患者さんやその家族とも治療や薬について話をします。患者さんの背景や感情に寄り添いながら、丁寧なコミュニケーションを大事にしています。その中で患者さんの病気が良くなったり、症状が改善することにやりがいを感じます。