松原 涼介

薬学部 医療薬学科 5年(取材当時)

神奈川県立海老名高等学校 出身

海外留学で学ぶ、目指すべき薬剤師の姿。

初めての海外留学。学生のうちにしかできない経験を。

私は5年生の夏に大学の海外臨床研修プログラムに参加し、アメリカの南カリフォルニア大学(USC)に2週間の留学をしました。私自身、今まで海外に行った経験が無く、渡米前はすべて英語での環境に適応できるか不安を感じていました。ただ、大学生のうちに“海外で学ぶ”という経験をしておきたいと思ったので、思い切って参加申し込みをしました。元々英語が得意という訳ではなかったので、渡米前にはTOEICの勉強や海外ドラマを見るなどして、Listeningを中心に準備をしていきました。USCでの講義では、最初は聞き取れないことや、理解しづらいこともありましたが、根気強く講義に臨むことで少しずつ英語での講義にも慣れることができました。後半の講義や施設見学ではほとんどの説明が理解できるようになり、英語力の自信にも繋がりました。このように自信がついたことで、帰国後もSpeakingやListeningなど英語学習を続けるモチベーションにも繋がっています。

アメリカの医療から“目指すべき薬剤師の姿”を考える。

私はこの海外臨床研修プログラムを通じて、日米における2つの違いを学びました。1つはアメリカ人と日本人の考え方の違いです。アメリカの保険制度の講義を受けた際、日本とは違い、アメリカではどの健康保険に加入するか自分自身で決めるということを知りました。日常生活においても、アメリカでは食事のトッピングなどを自分で決めることができるお店が多くあり、日常生活のあらゆる場面において、自分自身で選択していくということがアメリカの文化なのだと感じました。 また、2つ目の違いは薬剤師の職域・職能です。アメリカで見学をした病院の薬剤部ではワクチンの注射を行う部屋が用意されていました。アメリカでは薬剤師が注射をすると安く注射を受けられるので、薬剤師が患者さんに注射をすることは多くあります。一方、日本の薬剤師は注射を打つことはできません。このように薬剤師に求められる職域・職能の違いを実感すると同時に、まだ日本の薬剤師には患者さんのためにできることはもっとあるのではないかと考えるようになりました。自分自身の目指すべき薬剤師像を考える上で、日本では経験できない貴重な機会となりました。

海外留学の経験を将来、薬の開発で活かしたい。

私は自分の視野を広げたいと考え、この海外臨床研修プログラムに参加しました。そして、この経験を通して日本とアメリカの違いを肌で感じ、薬剤師となる上で自身の視野を広げることができました。私は将来、薬の開発に関わりたいと考えています。新薬が開発されるまでには多くの時間や失敗があります。私はこの海外臨床研修で経験したことを活かし、あらゆる方向から薬について考え、より早く、より確実に薬の開発が行っていけるよう薬剤師として貢献していきたいです。