鷹野 遥

薬学部 医療薬学科 6年(取材当時)

山梨県立甲府西高等学校 出身
薬物動態制御学教室 所属

ロジカルシンキングと観察力|私の学修成果

6年間の学修成果

  • CRO(データサイエンティスト職)に内定
  • 疎水性溶媒を用いた肺上皮細胞の新規培養法確立
  • ロジカルシンキングと逆算思考力
  • 観察力

ロジカルシンキングと逆算思考力

私は薬物動態制御学教室(研究室)に所属し、疎水性溶媒を用いた肺上皮細胞の新規培養法の構築に取り組んでいます。現在ヒト肺細胞を模倣した培養法としてALIが汎用されていますが、私の研究では疎水性溶媒を用いて生体内環境を模倣することで、ALIの問題点を克服し新たな薬物吸収のモデル細胞の構築を目指しています。汎用されるモデル細胞の作成というゴールから逆算し、どのような観点に着目し何を証明すればALIに対する優位性を示すことができるのかを常に考え、ロジカルシンキングを繰り返しました。そして一つの培養実験に固執せず、同時に複数の実験を進められる実験計画を立てることで、多くのデータ量を確保することができました。多角的に検討を行なったことが功を奏し、期待していた実験結果を得ることができました。

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観察力

研究のスキルとしては、観察力を高めることができたと感じます。開発したモデル細胞は他のモデル細胞とはどのように異なるのか、多種の実験の中で共通する変化は無いか、など毎回精査を続けました。細胞の変化やそのデータを観察していくうちに、「新規培養法だと細胞量が増えているな」「細胞の増殖スピードも早いな」など実験に依らない新規培養法の共通項に気づくことができました。それによって自身の研究が飛躍的に進みましたし、日本薬学会で行なったポスター発表では「学生優秀発表賞」を受賞し、学外からも高い評価を頂くことができました。

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経験や成長を糧に将来を切り拓く

研究活動以外にも、実務実習やアルバイトからも多くのことを学びました。5年次の病院実務実習では、服薬指導の際、薬歴を読み込んで患者さんの心情や状況を考慮して話すように意識しました。また、患者様からも話してもらいやすいように笑顔とポジティブな言葉選びに注意するなど、医療人としてのコミュニケーション力も学びました。またアルバイトでは、個別指導塾講師のアルバイトを6年間続けていて、多様なバックグラウンドや考え方を持つ生徒一人ひとりの話を聞いたり、生徒のミスを分析し最適な学習方法を考え提案するようにしていました。ミスの上流のところに気付き、改善を促していくことでコンサル力も身に付いたと感じます。データサイエンティストという臨床現場とは離れた職種に就く予定ですが、最終的にアプローチするのは一人ひとり意思や背景が異なる患者様です。実務実習やアルバイトを通して一人ひとりの個別性を肌で感じられたこと、それに対する対応力を磨けたことは大きな糧となりました。この経験を活かし、データの先には常に患者様がいて、その患者様にとっての最適解があることを意識し続けたいです。

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