ニュース&トピックス 「革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)」に生命科学部・冨塚一磨教授を代表とする研究チームの課題が採択 -- 先端技術を駆使して感染症と闘う抗体医薬を創る

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2021.10.07

プレスリリース

「革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)」に生命科学部・冨塚一磨教授を代表とする研究チームの課題が採択 -- 先端技術を駆使して感染症と闘う抗体医薬を創る

「革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)」(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)、公募研究開発課題:「感染症創薬に向けた研究基盤の構築と新規モダリティ等の技術基盤の創出」において、東京薬科大学 生命科学部 冨塚一磨教授を代表とする研究チームの課題「免疫系ヒト化動物を活用した抗感染症ヒト抗体創成基盤の確立」が採択されました。

本研究は、本学、鳥取大学(分担研究者:香月康宏准教授)、立教大学(分担研究者:末次正幸教授)、千葉大学/東北大学(分担研究者:秋田英万教授)の4機関の共同研究 になります。この事業は、感染症創薬分野における基礎研究を飛躍的に加速させるための基盤および技術の確立を目指します。

研究概要

免疫系ヒト化動物を活用した抗感染症ヒト抗体創成基盤の確立

COVID-19の脅威を背景に、感染症に対する予防・治療薬の研究開発への社会的要請が高まっています。本研究課題では、重症化リスクの高い感染者や曝露後の予防等に有効な中和抗体療法の早期実現を目指し、独自開発した(1)完全ヒト抗体産生動物、(2)ゲノム合成技術、(3)mRNA創薬技術等を融合して、様々な感染症に対する予防・治療用ヒト抗体医薬候補品を迅速に創成する「Express Hu-mAbシステム」の確立に取り組みます。

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用語解説

  • (1)
    完全ヒト抗体産生動物:ヒトと同様に多種多様な完全ヒト抗体を産生するマウス・ラット。従来の遺伝子工学技術では扱うことが難しい、長大なヒト抗体遺伝子を操作できる人工染色体技術を用いて作製された。完全ヒト抗体は、ヒトに投与しても免疫反応が起こらない、安全性の高い医薬品として広く利用されている。
  • (2)
    ゲノム合成技術:大腸菌ゲノムが増幅するメカニズムを利用して、試験管内で環状DNAを増幅させる方法。細胞を使わない遺伝子クローニングが可能になる。PCR法と比較して長いDNA鎖をデザインして合成できることがメリット。
  • (3)
    mRNA創薬技術:メッセンジャーRNA(mRNA)を包み込んだ脂質ナノ粒子を投与して、体内で目的蛋白質をつくらせる技術。ウイルスタンパク質をコードするmRNAを用いればワクチン、抗体などの治療用蛋白質をコードするmRNAを用いれば治療薬となる。

関連リンク

【取材に関するお問い合わせ先】

東京薬科大学 総務部 広報課

【研究に関するお問い合わせ先】

東京薬科大学 生命科学部 生物工学研究室 教授 冨塚一磨
  • 042-676-7139(8:45~17:00 月~金、祝日は除く)
  • tomizuka@toyaku.ac.jp