データサイエンスプログラム

ビッグデータとAIで生命を探究する

機械学習やAI(人工知能)技術の進展のもとDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、各業界でビッグデータを管理・加工・解析できる人材の確保が急務となっています。本プログラムでは、データサイエンスの基礎的な知識を習得し、in silico創薬、ゲノム医療、疾患データ解析などの生命科学の諸分野に活用できる人材を育成します。

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「データサイエンスプログラム」が目指す学修成果

ICT、AIなどの技術進展に伴い、データを扱える人材が求められています。応用基礎レベルの知識・技術を習得するとともに、ゲノム・メタゲノム情報や医療ビッグデータを活用できる人材の養成を目指します。

<想定される活躍フィールド>
・医療情報ビジネス企業
・ゲノムデータ分析調査職
・DXシステムの設計開発企業
・ヘルスケア・データサイエンス分野

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プログラム内容

生命科学研究においても、またサイエンス・ビジネスにおいても、データサイエンスは不可欠の要素となっています。クラウド環境などITインフラの整備により膨大なデータリソースが形成されつつあり、また機械学習やAI(人工知能)技術の進展ともあいまって、各業界でビッグデータを管理・加工・解析できる人材の確保が急務となっています。政府が発表した「AI戦略2019」でも、文系・理系を問わず数理・データサイエンス教育の充実が掲げられ、レベルに応じて 3 段階のモデルカリキュラムが策定されています。本学部のプログラムでは、このうちの第 2 段階「応用基礎」レベルの知識・技術を習得するとともに、生命科学に特化したゲノム・メタゲノム情報の利用や医療ビッグデータの活用のできる人材の養成を目指します。

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対象科目をピックアップ

情報科学Ⅱ
人工知能や機械学習など、最先端のテクノロジーをPythonというプログラミング言語を使って学ぶことができます。また、Pythonを使った方程式・微積分の計算や実験データの分析にもチャレンジします。これらのスキルは、生命科学分野だけでなく、現代社会でますます重要となっているデジタル分野においても大きな力を発揮することでしょう。
生命科学Ⅵ(応用統計学)

現代の生命科学では、次世代シークエンサをはじめとするオミックス計測技術が生み出す、膨大かつ多くの変数からなる複雑なデータの解析が必要不可欠となっています。これらのビッグデータから、医療や創薬につながる知見を得るためには、データの中身と適切な解析手法の理解が欠かせません。この授業では、統計解析ソフトを用いて、多変量ビッグデータを統計的に解析する手法の原理を理解するとともに実践的な解析力を修得します。

生命医科学Ⅹ(ゲノム情報医科学)

ゲノム解析技術の進歩によってヒトの全ゲノム配列や身体の生理機能の現象がデータ化され、その膨大なデータをSociety5.0時代のヘルスケアとして医療に活かす取り組みが始まっています。この講義では生命科学のデータサイエンスとして、ゲノム等の生体データの解析技術を習得し、実際の疾患解析例に基づいた実践を通して、ゲノム医療の知識と技術を習得します。

学生インタビュー

データサイエンスで日本の医療を救いたい

将来は、ビックデータや機械学習などのITの力で医療業界に貢献したいです。誰でも低コストで高品質な医療を受けられるような社会を目指し、医療IT分野で活躍出来たらと考えています。生活習慣病の増加や後期高齢者の増加、それに伴う医療従事者の労働不足と医療費増大は我が日本国の課題です。医療についても治療を中心とした医療から予防、早期発見へ移行しています。将来の医療現場でビックデータを活用することができれば、医療従事者に治療について最適な提案ができ、それによって負担軽減に繋がります。また国民の個別のデータを収集、解析することで病気の早期発見などにも繋がります。まずは学生時代にデータサイエンスをしっかり学び、自身のスキルや経験を積み重ねていきたいです。そして将来、混濁の乱世と化すであろう日本の医療をEnterキーで救ってみたいです。

20211013isa-1.jpg分子生命科学科 1年 伊佐 龍馬

データサイエンスを自身の強みに。生命科学をもっと深く

私は将来、製薬企業でデータの解析を行う仕事に就きたいと考えています。そのために私は現在プログラミングや統計学を学んでいます。プログラミングはデータを処理するツールとして、統計学はデータを読み解くための知識として必要であると私は捉えています。そしてツールや知識を手に入れることにより、数字から意味のある情報を見出すことが可能になると考えています。その考えは学生実習や卒業研究の場において、実験データの解析を行うことの必要性を実際に体感したことから来ています。またプログラミングや統計学について学ぶことで論理的に物事を考える良いトレーニングとなり、生命科学に関する学びや研究へも良い影響を及ぼしています。日々勉強をする中で、理解に時間や労力を要することも多々ありますが、自分の強みを作るために努力しています。

data-sato-900.jpg分子生命科学科 4年 佐藤 秀

教員インタビュー

AIを学んで新しい生命科学を探求しよう

生命科学部では、創立当初より情報科学やプログラミングに力を入れた教育を行ってきました。このデータサイエンスプログラムではそれを発展させ、より高度なデータ解析能力を育成します。
私は本学に赴任する前には、マテリアルズインフォマティクスに携わり、AI(機械学習)と量子化学計算を組み合わせてエネルギー効率の高い有機太陽電池の分子構造探索に取り組んでいました。現在は、その経験を活かして薬剤の新規構造探索を試みています。生命科学とAIなどの異なる分野を組み合わせて新しい研究に挑戦してみませんか?

data-noguchi-900.jpg野口 瑶 助教

インフォメーション

生命科学部1年生がPythonを用いたプログラミングに挑戦

「情報科学Ⅱ」はデータサイエンスプログラムのコア科目(選択科目)であり、学部1年生を対象とした対面授業として後期に開講しています。この授業では、以下のような内容に取り組んでいます。

  1. コマンドによるコンピュータの操作
  2. Pythonのプログラミングを通じたアルゴリズムの理解
  3. 基本的な機械学習の実装

ほとんどの学生にとって、コマンドによるコンピュータの操作やプログラミングは本授業で初めて学ぶ内容ですので、最初はとても苦戦しています。しかし、複数名の教員やTeaching Assistant(大学院生)が操作をサポートしたり、学生同士で教え合ったりすることで、理解を深めています。授業が進むにつれ、「できることが増えていき成長ができた」と自信を付けていく学生が増えてきました。

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本学「ヘルスケア・データサイエンス事業」に薬学部とともに取り組んでいます

2021年度本学教育改革推進事業「ヘルスケア・データサイエンス事業」の一貫として同年度より「ヘルスケア・データサイエンティスト」人材育成講義を実施しています(薬学部陳恵一教授他計9名と外部講師が担当)。2022年度から薬学部4年生向け講義として開講していますが、生命科学部の学生も聴講可能です。生命科学部の専任教員(2名)も当科目の一部を担当しています。授業は毎年度概ね好評で、今後も全学でデータサイエンス教育に取り組んでいきます。

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医療系データサイエンス早期体験学習の開催

生命科学部は、H.U.グループ中央研究所と教育・研究に関して『次世代の医療に貢献できる人材育成』を目指した協定を締結しています。同研究所の本学客員教授・准教授は、博士前期課程の『企業におけるデータサイエンス』講義を担当しています。2022年10月12日、生命医科学科1年生を対象にH.U. Bioness Complex (最新鋭の検査ラボ、研究所)を訪問し、早期体験学習を実施しました。バイオインフォマティクスやAIを駆使した革新的臨床検査・施設を見学しました。医療・臨床検査におけるデータサイエンスの重要性について理解することができました。今回の早期体験学習は、将来の方向性を考える良い機会となりました。

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