Topics 04「届ける」

根岸 洋一 教授

薬学部 医療衛生薬学科 薬物送達学教室

治療効率を高める薬の宅配便 -ナノカプセル-

私立大学研究ブランディング事業

ピンポイントに送り届けて超音波で破裂させ細胞内へ

治療を目的とした医薬品は、必要な量を病巣のみへと送り届けないと、効果がなかったり、副作用につながる危険性もあります。私たちは、狙った病巣に送り届ける薬の宅配便「ナノカプセル」を研究開発しています。大きさは、赤血球よりも小さいナノサイズ。これを投与して病巣に集中させ体外からの超音波ビームでナノカプセルを破裂させることによって、一時的に細胞表面に穴が生じるために細胞内に治療薬を送り込めるのです。
最近、筋肉が弱体化する遺伝病「筋ジストロフィー」モデルマウスの対象実験では、ナノカプセルを使うことで10倍近く治療効率を高めることに成功しました。
今後は、さらに脳や心臓病、がんなどの難病治療のための革新的スマ-トナノカプセルの研究開発にも挑戦していきます。