ニュース&トピックス 薬学部 吉田謙介講師らの研究グループが、薬学と保育の知見を融合させた「手洗い・うがい教育プログラム」を開発、実践しました

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2025.11.26

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東京薬科大学薬学部医薬品安全管理学教室 吉田謙介 講師と杉浦宗敏 教授らの研究グループは、武蔵野短期大学 幼児教育学科 野村和 学科長、石川桃 事務局次長、武蔵野短期大学附属幼稚園・保育園 小島直子園長、狭山市薬剤師会 松谷美樹理事らとともに子どもの感染予防という重要な医療課題に取り組む共同研究を開始しました。本研究では、薬学と保育の知見を融合させた「手洗い・うがい教育プログラム」を開発し、2025年10月25日・26日に開催された武蔵野短期大学の大学祭「なでしこ祭」(来場者約5,000名規模)において実践しました。子どもたちの医療課題を解決するための新たな教育モデルの確立を目指します。
なお、本研究は、薬学・歯学・教育の連携により人々の健康行動を支援する「ヘルスアクションプログラム(Health Action Program: HAP)」注1の理念に基づき展開しています。

  • 注1 「ヘルスアクションプログラム(HAP)」は、薬学・歯学・教育の連携によって、科学的根拠に基づく健康教育を社会に実装することを目的とした取り組みです。

20251119news_image1-1.jpg東京薬科大学学生、武蔵野短期大学学生集合写真

 

20251119news_image1-2.jpg子どもたち、保護者に向けて手洗い・うがいの正しい方法を伝えている様子

研究概要

子どもの感染症予防は、健康保持や集団生活の安全に直結する重要な医療課題です。東京薬科大学と武蔵野短期大学、狭山市薬剤師会の共同研究グループは、薬学と保育の専門性を融合させ、子どもの感染予防意識を高める「手洗い・うがい教育プログラム」を開発しました。本プログラムは、薬学に基づく科学的な感染予防対策と、保育の視点による子どもたちの興味・関心を引き出す教育手法を組み合わせた教材として構成されています。

開発した教材は、来場者約5,000人規模の武蔵野短期大学の大学祭「なでしこ祭」において実装しました。武蔵野短期大学附属幼稚園・保育園の園児を対象に知識・意識の変化に関するアンケート調査を実施しました。得られた結果をもとに論文化を行い、今後は教材内容の改善および教育効果の持続性に関する検討を進め、薬学と保育の連携による新たな子ども向け医療教育モデルの確立を目指します。

研究グループからのコメント

東京薬科大学 吉田 謙介 講師 (プロジェクトリーダー)
薬学と保育の専門性を融合することで、子どもたち自身が「なぜ手洗いやうがいが大切なのか」を理解し、行動につなげる教育の仕組みを目指しました。本プロジェクトを通じて、異分野・異業種が連携する新たな健康教育の形を社会に広げたいと考えています。今後は、教育機関や地域団体、企業などとの連携も視野に入れながら、持続可能な地域医療教育モデルの確立を進めていきます。
東京薬科大学 杉浦 宗敏 教授 (プロジェクト監修)

幼児教育学科と薬学科で学ぶ学生が共同して幼児等に対して「手洗い・うがい」の大切さを啓蒙した本プロジェクトは国内で他に例がなく非常に意味のある活動と思われます。それぞれの学生がお互いの専門性に刺激を受け、より視野の広い専門職種となることが期待されます。今後、本活動が発展的かつ継続的に行われるようにサポートしたいと考えています。

武蔵野短期大学 野村 和 学科長 (保育分野・教材監修・大学祭運営担当)

大学祭の部門活動は、開発した教材に対する子どもたちの反応に直接触れられる場となっただけではなく、異なる分野を学ぶ学生同士の交流により、学生が自分の専門性や周辺領域との連携の重要性を認識する機会となった点で意義が大きかったと感じます。

武蔵野短期大学 石川 桃 事務局次長 (保育分野・教材監修・大学祭運営担当)

大学祭では、学生と一緒に小さなお子さんたちが楽しそうに動画の動きを真似している様子が印象的でした。このプログラムによって、手洗い・うがいは日常生活において自分自身の健康を守る大切な習慣であることが、たくさんのお子さんに伝わり、感染予防意識が高まることを願っています。

武蔵野短期大学附属幼稚園・保育園 小島 直子 園長 (保育分野・教材監修・保育現場実践担当)

新型コロナウィルス感染症やインフルエンザ等、季節を問わずさまざまな感染症が流行する時代になり、園児・保護者には「手洗い・うがい」を習得することが感染症予防に重要であることを伝えてきました。今回のプロジェクトのように各専門分野を活かした啓蒙活動は、記憶に残りやすく楽しく学ぶことが出来たと思います。また、なでしこ祭での実施は、園児にとって地域との触れ合いにもなり社会性を学ぶ良い機会になったと思います。

狭山市薬剤師会 松谷 美樹 理事 (薬学分野・教材監修・プロジェクトアドバイザー)

感染症予防には手洗いやうがいが有効とされていますが、実際には正しい方法で実践できていない方も多いのが現状です。一方で、薬局の窓口で病気の予防を効果的に伝えることは容易ではありません。本プロジェクトを通じて開発された教材は、学校薬剤師や地域での健康啓発活動などに活用され、課題解決に貢献することが期待されています。

武蔵野短期大学「なでしこ祭」での活動の様子

20251119news_image2-1.jpg紙芝居で感染予防の重要性を伝えている様子

 

20251119news_image2-2.jpg動画を使い、手洗い方法を伝えている様子

 

20251119news_image2-3.jpg動画を使い、うがいの方法を伝えている様子

 

今後の展開

今回の成果を基盤として、薬学と保育の連携による子どもの医療課題の解決に向けた取り組みを継続していきます。今後は、得られたアンケート結果を分析し、教材内容の改良や教育効果の持続性について検証を進める予定です。また、保育現場や地域薬局との連携を拡大し、園児や小学生を対象とした教育の普及を図るとともに、地域とともに薬学と保育が協働する新たな地域医療教育モデルの確立を目指します。

 

研究に関するお問い合わせ

東京薬科大学 薬学部 医薬品安全管理学教室 吉田謙介
  • yoshida[at]toyaku.ac.jp ※[at]を@に置換してください。

本件に関するお問い合わせ

東京薬科大学 入試・広報センター