ニュース&トピックス 薬学部1年 コスメアーリーエクスポージャーで友利新先生の講義を実施しました

  • 薬学部
  • 教育活動
  • その他

2024.06.24

6月14日(金)の『コスメアーリーエクスポージャー』(薬学部1年次自由科目)にて、本学客員教授であり皮膚科医で各種メディアでもご活躍の友利 新 先生による講義が行われました。

講義では、日本コスメティック協会が実施するコスメマイスター・ライトの問題を用いて皮膚の生理機能や、皮膚トラブル等についての基本知識の解説、紫外線による肌の老化について学び、化粧品会社各社における最新の美容研究の動向についても、具体的な研究内容を例にご説明いただきました。

20240614_cosme-ee-1.jpg

20240614_cosme-ee-2.jpg

『コスメアーリーエクスポージャー』は、今年度から開始されたコース・プログラム選択制で開講されるコースのうち、「スキンケアアドバイザー養成コース」の指定科目のひとつとなっています。人や社会における化粧品の魅力や有用性、化粧品を作る企業の使命やビジョン、化粧品業界の現状と展望を1年生という早い段階で学び、将来その分野で活躍する姿を思い描くことを目的にしています。

20240614_cosme-ee-3.jpg

講義終了後、友利先生にお話を伺いました。

――本講義を受講している学生に求めることや、今後期待することはありますか。

「クリニック等で務めている際に、薬学を専攻している方、薬剤師の方々の助けが貴重なものでした。処方する薬について丁寧に伝えていただいたり、組み合わせなども一緒に確認していただいたり、一緒にチームを組んで進めていくことがとても大切になっています。
最近は美容医療の流行や、高齢化によって、治療も多岐にわたってきて、外的な変化による患者さんのストレスが大きくなってきており、様々な面からのQOLへのアプローチが重要になってきています。医療従事者のひとりとして、薬剤師の方もそういったところにアプローチしていただいて、化粧品や薬剤を通して患者さんの外的変化についての悩みやストレスというものを減らせる方が1人でも増えてくれたらと思っています。
また、化粧品の研究開発という点においては、消費者側からのイメージが薄く、裏方のイメージになっているのですが、日本での研究開発はとても活発に 行われていて、日本には世界に誇れる化粧品会社が実はたくさんあります。そのような研究開発の科学的エビデンス が、私たちが手にとる化粧品に入っていて、その開発には多くの薬学部出身者が携わっています。これからも医療的思考をもち化粧品の新たな魅力を生み出してくれる化粧品開発研究に従事する薬学出身者がいてくれると嬉しいなと思っています。」

――高校生向けのガイダンス等に参加した際に、化粧品会社に興味がある受験生が多く、人気な印象があります。

「とても嬉しいことですね!やっぱり美容というイメージは皮膚科というイメージが大きいとは思うのですが、実は化粧品のことって皮膚科では一切習わないんです。美容医療というものはありますが、それは機器だったり、施術のことだったりするので、スキンケアや化粧品などに関しては、薬剤師さんの方がよくわかっているのだと思います。
最近は薬剤師の方々が化粧品について、YouTubeやSNSで発信することも多くなってきていて、本来であれば、商品のことについてはそういう方々が情報発信するのが一番マッチするのだと思っています。自分自身で研究して開発したことがある方は、やっぱり手ごたえやどんな風に作られていくかという過程を知っているので、ほかの商品との比較もできるんですよね。
現在人気のある商品に含まれているその企業独自の成分を開発し、業界の権威ある方も薬学の出身であることが多く、そのような方が1人でも増え、化粧品が日本の基幹産業になっていくといいなと思っています。」

今回の講義を受けた本学学生にも話を聞きました。

――このコースを受けようと思ったきっかけは何ですか。

中学生の頃からコスメに興味があり、ちょうどこのコースがあり学びたいと思ったからです。

――友利先生の講義を受けてどうでしたか。

Z世代はSNSで情報収集することが多く、その情報を信じてしまうこともありますが、今回のお話にあった日焼け止めのお話のように専門家に聞くと真実とは違うことが分かったので、しっかりと調べたいと思いました。

――スキンケアアドバイザーコース全体の感想を教えてください。

これまで各企業の方(資生堂、花王、コーセー、東洋ビューティー)のお話を聞き、知らなかったことや各企業の取り組みについて知ることができて良かったです。各企業の研究やスキンケア以外にも、サンゴを保護する取り組みや、海外に進出している企業もあったので、研究以外の取り組みにも関心を持ちました。

本講義コーディネーター

皮膚は最大の“臓器”です。その“臓器”である皮膚に使用する化粧品。その成分表記をご覧ください。化粧品は様々な化学物質から作られており、個々の成分についての特性や安全性などの理解には薬学的な知識が十分に活かせます。また、薬学で学ぶ知識や経験は、医薬品と同様に化粧品開発や化粧品の適正使用の指導などにも役立ちます。

化粧品は生活必需品として日々の生活に浸透しています。しかし、化粧品選びの迷子、肌トラブルに悩む人は多く、本当は適切なアドバイスを求めている方も少なくないはずです。もし、化粧品やスキンケアについて薬剤師からアドバイスがもらえると、その迷子や悩める人にとっての解答と安心になるはずです。ただ、薬学教育において化粧品関連の教育プログラムはほとんどありません。また、化粧品業界や企業を知る機会もありません。商品ブランドによるイメージ先行型で、本質的な化粧品の魅力や効能、その正しい使い方などを把握していない薬学生、そして薬剤師も少なくありません。

Toyaku_Takashi Sato-2.jpg

本コース・プログラムでは、化粧品の基礎知識を身につけ、化粧品業界や企業を知り、化粧品とスキンケア認定資格を取得して、皮膚の健康維持とトラブル対処において化粧品などの適正使用によりスキンケア指導のできる薬学生を育てます。そして、薬剤師、企業人として、患者さんを含めた全ての生活者にとって心身のみならず社会的な健康のサポートに貢献することを目指します。

本件に関するお問い合わせ

東京薬科大学 入試・広報センター