学科紹介 グリーンケミストリー

人間に、野生生物に、そして、地球環境にも悪影響を与えてしまうことのないように安全設計された化合物を作り出す化学を「グリーンケミストリー」と呼んでいます。

グリーンケミストリーの守備範囲

多くの化学工業製品を用いることによって、私たちの生活は便利になりました。プラスチック製品のおかげで多くの生活用品を安く手に入れることができるようになりました。そして、新薬は多くの「生命」を救いました。役に立つ化合物がある一方で、フロンガスは命を守るオゾン層を破壊してしまいました。また、PCBやDDTの汚染が地球全体にひろがり、北極にすむシロクマやオットセイなどの野生動物に悪影響を及ぼしています。医薬品にも、副作用や環境汚染が問題になり、人間や野生動物に予想外の悪影響を与えてしまった例もあります。

「グリーンケミストリー」というためには、作られた化合物が安全であるということに加えて、原材料、化合物を作り出す過程の副産物、そして、分解物にも危険な化合物が含まれてはいけません。されに、これらの過程で、大量のエネルギーを消費してしまうことがないようにしなければなりません。

人類と地球環境を守る「グリーンケミストリー」が、近い将来、これまでの化学工業に置き換わると期待されています。この未来の化学にもバイオの力が応用されようとしています。