学科紹介 変異原

自然突然変異よりも高い割合で、突然変異を誘発する物理的、化学的、および生物的要因を変異原といいます。物理的要因には紫外線や放射線、生物的要因にはウィルスがあります。私たちの環境中には多種多様な化学物質があり、この中にも突然変異を誘発する化学変異原が知られています。

環境中に存在する変異原を特に環境変異原といいますが、これらには人工の合成化学物質だけでなく、植物中の天然化学物質も、また大気汚染によって環境中で生成する化学物質もあります。変異原はDNA分子の塩基と結合し、遺伝子突然変異や染色体の構造異常を誘発する活性をもつため、細胞のがん化の主要因として考えられています。

一方、細胞内で変異原がDNAと結合しても、これを除去するDNA修復機能が働くため、結合した量が少なければ直ちに突然変異などの影響が出るわけではありません。では問題のない量とはどの程度のものなのか?答えはでていません。食品科学研究室別ウィンドウで開きますでは、環境変異原のヒトに対するリスク評価を研究しています。

染色体異常