学科紹介 ncRNA

ncRNA とは RNA の中でタンパク質をコードしていない RNA の総称です。ncRNAには、タンパク質の翻訳工場であるリボソームを構成する rRNA(リボソーム RNA)、タンパク質の翻訳に必要なアミノ酸をリボソームに運ぶための tRNA(転移 RNA)、RNA のプロセッシングに必要とされる small nuclear RNA(核内低分子 RNA)、microRNA 等が含まれます。近年、ヒトを始めとする多くの生物において、そのゲノム解析とゲノムから転写される RNA のトランスクリプトーム解析が行われています。これらの解析結果は、これまでタンパク質をコードしていない、また、タンパク質の発現に関係ないと考えられていた DNA 領域から、多くの RNAが転写されていることが明らかにしました。中でも、20 数塩基に切断された microRNA と呼ばれる機能 RNA の発見とその解析により、これらの RNA は遺伝子の発現や翻訳を制御することで、発生、細胞の増殖、分化、細胞死などに重要な役割を担っていると考えられています。また、ほ乳類には microRNA と異なり十数 kb もの長さの Xist と呼ばれる X 染色体の不活性化に働く ncRNA も存在します。食品科学研究室別ウィンドウで開きますでは、ミジンコで働く ncRNA や microRNA について研究を行っています。