ニュース&トピックス 細胞情報科学研究室の伊藤昭博教授らの共著論文がNature Communications誌に掲載されました

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2023.02.15

岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬) 上原孝教授と米国スクリプス研究所 スチュアート・リプトン(Stuart A. Lipton)教授、東京薬科大学生命科学部 伊藤昭博教授、理化学研究所生命機能科学研究センター Kam Y.J. Zhangチームリーダー、鳥取大学医学部 岡田太教授、徳島大学先端酵素研究所 片桐豊雅教授、東京大学大学院農学生命科学研究科 内田浩二教授らの国際共同研究グループは、一酸化窒素(NO)がDNAの脱メチル化を引き起こし、その結果、疾患関連遺伝子が誘導されることを突き止めました。この現象を阻害する薬の開発にも成功し、NOによる腫瘍形成が劇的に抑制されることを明らかにしました。この研究成果は2023年2月4日、英国の総合科学雑誌「Nature Communications」にArticleとして掲載されました。

高等生物はDNAやヒストンの化学修飾によって遺伝子発現レベルを調節するエピジェネティクスと呼ばれるシステムを備えています。この機構の破綻は多くの疾患発症に関連していることが分かりつつあります。NOは血圧調節、記憶形成、殺菌などの重要な役割を担っていることが知られていますが、今回、DNAの化学修飾を調節する生体内因子であることが明らかになりました。

本研究成果は、NOがゲノムDNAメチル化調節を介して様々な遺伝子発現を調節していることや病態発症にも関与していることを示しました。今後、健康維持だけでなく、がん、中枢神経変性疾患、新型コロナウイルス感染症などの発症原因の解明に繋がることが期待されます。

詳細はこちらをご参照ください。

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論文情報

雑誌名:Nature Communications 

論文タイトル:Pivotal role for S-nitrosylation of DNA methyltransferase 3B in epigenetic regulation of tumorigenesis 

著者:Kosaku Okuda#, Kengo Nakahara#, Akihiro Ito#, Yuta Iijima, Ryosuke Nomura, Ashutosh Kumar, Kana Fujikawa, Kazuya Adachi, Yuki Shimada, Satoshi Fujio, Reina Yamamoto, Nobumasa Takasugi, Kunishige Onuma, Mitsuhiko Osaki, Futoshi Okada, Taichi Ukegawa, Yasuo Takeuchi, Norihisa Yasui, Atsuko Yamashita, Hiroyuki Marusawa, Yosuke Matsushita, Toyomasa Katagiri, Takahiro Shibata, Koji Uchida, Sheng-Yong Niu, Nhi B. Lang, Tomohiro Nakamura, Kam Y. J. Zhang, Stuart A. Lipton*, Takashi Uehara*

DOI番号:10.1038/s41467-023-36232-6

論文URL:https://www.nature.com/articles/s41467-023-36232-6

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東京薬科大学 生命科学事務課