ニュース&トピックス 細胞情報科学研究室の修士2年生 関根咲彩さんの論文がBioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌に受理されました。
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2023.03.22
細胞情報科学研究室の修士2年生 関根咲彩さんの論文がBioscience, Biotechnology, and Biochemistry誌に受理されました。
タイトル:Identification of a derivative of the alkaloid emetine as an inhibitor of the YAP-TEAD interaction and its potential as an anticancer agent
著者:Saaya Sekine, Shohei Takase, Runa Hayase , Kota Noritsugu , Yuki Maemoto , Yasue Ichikawa, Kenji Ogawa, Yasumitsu Kondoh, Hiroyuki Osada, Minoru Yoshida, Akihiro Ito
掲載誌:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 2023 Feb 21;zbad022. doi: 10.1093/bbb/zbad022.
https://academic.oup.com/bbb/advance-article-abstract/doi/10.1093/bbb/zbad022/7049960?redirectedFrom=fulltext&login=true
TEADは器官形成に重要な転写因子ですが、その異常な活性化は腫瘍形成につながることから、がん治療の分子標的として注目されています。TEAD が転写因子として働くためには、転写共役因子であるYAPと結合することが必要です。したがって、YAPとTEADの結合を阻害する化合物は抗がん剤になる可能性があります。そこで今回我々は、理化学研究所が保有する約2万種類の化合物の中からYAPとTEADの結合を阻害する化合物を探索し、抗原虫薬、催吐薬として知られている植物アルカロイドであるエメチンの誘導体NPD689を発見しました。NPD689が、YAP依存的なTEADの転写活性を抑制することにより、悪性胸膜中皮腫や肺がん細胞の増殖を抑制することを見出しました。今後、NPD689を出発化合物としたがん治療薬の開発が期待できます。
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