ニュース&トピックス 「大腸癌の進展に関わる分子機構を解明」 ゲノム情報医科学研究室の佐藤礼子講師、鈴木さん(卒業生)らによる論文がiScience誌に受理されました

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2022.11.17

大腸の内壁から発生する大腸癌は、死亡者数の多い癌の一つです。大腸癌は本来の細胞が持つ上皮としての性質(上皮性)が低下することで悪性度が高くなります。上皮性が低下した大腸癌細胞は、転移しやすくなるだけでなく、抗がん剤に対する抵抗性が亢進してしまいます。これまでに我々は、大腸癌の上皮性の維持に関与するホスホリパーゼというリン脂質代謝酵素を同定していますが、その分子機構については不明点が多く残っていました。今回我々は、ホスホリパーゼにより活性化されるタンパク質リン酸化酵素の一つが、大腸癌細胞の上皮性の維持に関与することを明らかにし、その分子メカニズムを解明しました。

論文情報

タイトル: “Downregulation of protein kinase C gamma reduces epithelial property and enhances malignant phenotypes in colorectal cancer cells “

Doi: https://doi.org/10.1016/j.isci.2022.105501

著者: Reiko Satow*, Yudai Suzuki, Shinobu Asada, Sae Ota, Masashi Idogawa, Shiori Kubota, Noi Ikeo, Atsuko Yoneda, Kiyoko Fukami

掲載誌: iScience, 25(12), 105501 (2022)

https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(22)01773-4

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東京薬科大学 生命科学事務課