キャンパス・学生生活 研究の楽しさを知り、将来の夢へ繋げる―生化学研究部

―生化学研究部について教えてください。

生化学研究部は、実習を通じて研究スキルや研究計画力を身に着けることを目標に活動する学術部門の団体です。特に生化学的な検査技術を身に付けられることと、病気の研究を行えるのが強みです。東薬の中でも歴史があり、特に理系らしい部活動を行う団体と言えるでしょう。
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―活動内容はどのようなことを?

主な活動は、春休みと夏休みに生化学的な実習を行います。実習内容は部員同士で話し合って決めます。そのため、実習期間などは実習内容によって異なりますが1週間で行うことが多いです。この実習に向け、春休み前と夏休み前に練習を行います。そのほか長期休暇を利用した合宿なども行います。

前回のテーマは「WistarGKモデルラットの病態解析」にでした。GKモデルラットは、日本人の2 型糖尿病に多い非肥満・インスリン分泌低下型のよいモデルであり、成因の解明に有用なモデルです。実験では、糖代謝の負荷を行い、Wistarと比べて血糖値がどのように上昇するかを確認し、インスリンの分泌などについて考察をしました。今後は、糖だけでなく、さまざまな試料を用いて代謝のデータを取得し、糖尿病に限らず、他の疾患や病態の知識を深めたいと思っています。この成果を通じ、将来自分の興味のある疾患の研究にも役に立つ考察力を身に付けることができました。

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―入部や部員について教えてください。

入部いただくにあたっての条件等はありません。高校の時に化学や生物を選択していた方が、理解が深まりますし、実際化学や生物の選択者が多い傾向にはありますが、もし履修していなくても、先輩から優しくわかりやすく実験に必要な知識や技術を教えてもらうことができます。私自身も、実験で取り扱うラットなどの知識もあまりない状態で入部しましたが、先輩方から丁寧に教えていただき、活動を行うことができました。

―部長の山浦さんは、なぜ生化学研究部に入ろうと思ったのですか?

私の場合、将来病気の研究がしたいと思っていて、早く病気に関連した学び・研究をしたいと考えていました。高学年で病気の研究をしていくにあたって、論文講読などから独自の考えに繋げていく思考力や考察力が重要になってくるであろうという予感があったので、大学の教科以外でもそのような能力を磨ける生化学研究部に魅力を感じ、入部しました。

部員の多くも、将来のために思考力や考察力を身に付けたい、生化学的な検査技術を身に付けられる、といった理由から入部しています。

―今後の活動内容について計画していることはありますか?

生化学研究部では、コロナ禍以前に数回、糖尿病モデルの研究を行ってきました。その研究結果を活かして、今年度はより発展的な内容のテーマを考えたいと思っています。また、これまでの研究結果から考察を深め、より有用なモデルの作製や糖尿病の病態解析を進め、来年、再来年に向けてさらに発展的な内容の実験を行えるように頑張りたいと思っています。

―生化学研究部の目標を教えてください。

これまでのお話の通り、私たちの目標は、「実習を通じて研究スキルや研究計画力を身に着けること」「部員全員で協力してひとつのテーマを研究して解明することで、研究の楽しさを知り、将来の夢へ繋げること」です。具体的な目標としては、大学の学術部門合同で行われる学術大会という大会で優勝することです。

生化学研究部という名前からして「難しいことをやっている」というイメージがあるかもしれませんが、入部当初はみんなが初めて行うことをやるので、知識の有無はまったく問題になりません。部員同士で協力し、お互いに教え合いながら実験を進めていけますので、安心して遊びに来ていただければと思います。意欲がある方、探求心のある方、将来研究者になりたい、そんな方にとって生化学研究部はとても楽しい経験ができるところだと思います。ぜひ私たちとともに研究の楽しさを感じてほしいですね。

―ありがとうございました。

インタビュー: 部長 山浦 優香里 さん(生命科学部2年)

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