ニュース&トピックス BUTTOBE採択学生の「超異分野学会 大阪大会2022」事後報告会を実施しました

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2022.09.30

2022年9月22日(木)に、BUTTOBE※採択学生による「超異分野学会 大阪大会2022」事後報告会を実施しました。
「超異分野学会」は、理系・文系や大学や研究機関、大企業、ベンチャー、生産者といった枠を超えて異分野の研究者たちが集い、垣根を越えた最先端の研究を進めるための学会です。本学からは、BUTTOBE採択学生の高橋直熙さん(薬学研究科 博士課程3年)がポスター発表で参加しました。

事後報告会では、高橋さんが参加前後での考え方の変化や苦労した点、得られた成果などを時折ユーモアを交えて熱心に報告しました。高橋さんにとっては大学院進学後、初の現地開催学会となった「超異分野学会」。当初は、以前参加した専門分野の学会と同じような構成でスライドを作成した高橋さんでしたが、学会参加を勧めてくれた根岸教授から「異分野の人に伝わらないのでは」という指摘を受けます。多様な人が参加する「超異分野学会」ならではの発表のため、発表する研究成果を絞りこむことで文字数を減らして図や写真を増やし、専門用語は平易な言葉で解説を加えるなど相手に伝わりやすくする工夫をしたと話しました。

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事後報告会の様子

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報告者の高橋直熙さん

(薬学研究科 博士課程3年)

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指導にあたった根岸洋一教授

新たなスライドで迎えた学会当日。中学生や農業、漁業関係者、県庁職員、IT関係者といった背景も研究内容も様々な研究者が参加する中、観賞用植物から医薬品に有効な成分を探索する研究を発表した高橋さん。「身近な植物に興味を持った」と多くの研究者に声をかけてもらい、手ごたえを感じたそうです。また、発表を聞いてくれた太陽電池や方言、ロボット、食用サボテンなど普段接点のない研究者との意見交換を通して高橋さん自身の視野とコミュニティも大きく広がったと話しました。

■高橋直熙さん(報告者)の感想
「他の研究者との交流を通して、自分にない視点をもらい、普段の研究では考えないことも考えることができました。互いの興味の範囲が広がり、なにより私の発表で植物に興味を持ってくれた研究者がいたことがとても嬉しかったです。研究は、他の人の協力を仰ぐことが不可欠です。研究内容をわかりやすく伝えられなければ、協力を得られません。今回の学会で、自分の研究の意義をわかりやすく説明すること、そして相手の専門性を受け入れる大切さを強く感じました」


発表の最後には、来年3月に開催される「超異分野学会 東京大会2023」についても紹介があり、出席した学生や教員から、「今度は自分も参加したい」「指導学生を参加させたい」といった声が上がりました。

高橋さんの研究への熱意が伝わり、質疑応答も活発に行われました。「研究の面白さを学部生に伝えるにはどうしたらいいでしょうか」という質問に、高橋さんは、「自分が興味を持ったきっかけから伝えるといいのではないでしょうか。お互いの研究内容や目指しているゴールも違うため、よく話し合いながら互いが求めることを明確にしていくとよいのではないでしょうか」と真摯に答えていました。

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質問する参加者

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質問に答える高橋さん

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拍手で終わる報告会

■指導にあたった根岸洋一教授の感想
「武者修行になればと高橋さんに超異分野学会への参加を勧めました。学会参加を通して、高橋さんが土の中から出て開いた花のように大きく成長したと感じています。高橋さんが面白いと感じたことを興味を持って熱く話してくれるので、私たちにも研究内容と彼自身の成長がよく伝わってきました。今後は、後輩となる学部生にも、研究指導を通じてよい影響を与えていってほしいと思います」

※「東京薬科大学 未来医療創造人育成プロジェクトBUTTOBE」(Beef Up Toyaku talents TO go BEyond the borders)
既存の常識や枠組みにとらわれず、声高く理念を掲げ、能力と技術と人脈により障害となり得るあらゆる境界を越えてその志を形にしていく、「次世代の志士」の育成プロジェクトです。かつてない変革期を迎えている日本の医療社会の現状において、学術・創薬・医療の各方位からその変革を力強く導き、持続可能なあり方へと発展させていく人財が求められています。必要なコンピテンシーを育み、日本を取り巻く医療の難局を打破して革新を成し得る、文字通り『ぶっとんだ人財』を社会に輩出することを目指します。 2021年度から始まった本プロジェクトは、現在2期目を迎え、博士課程の学生18名(薬学研究科13名、生命科学研究科5名)が未来の医療を担う研究に取り組んでいます。

本プロジェクトに関するお問い合わせ先

東京薬科大学 未来医療創造人育成プロジェクト「BUTTOBE」事務局
  • 042-676-5349(8:45~17:00 月~金、祝日は除く)
  • bu-office-ml@toyaku.ac.jp
  • 〒192-0392 東京都八王子市堀之内1432-1