ニュース&トピックス BUTTOBE 2022 BootCamp1を開催しました

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2022.09.27

9月9日(金)、9月12日(月)の2日間、「東京薬科大学 未来医療創造人育成プロジェクトBUTTOBE※」のBoot Camp1が開催され、アステラス製薬(株)で研究者として活躍中の赤羽隆文氏と本学卒業生で北里大学名誉教授の山田陽城氏を招へいし、若手研究者へのメッセージをテーマに特別講演を開催しました。

赤羽氏には「これからの創薬研究を考える-非臨床薬物動態研究者としての経験を振り返り-」をテーマに創薬の最前線での経験を「創薬の3本柱」「PKは決めて当たり前」など、ご自身のサッカー経験になぞらえてユーモアと熱意あふれる講演をして頂きました。また、山田氏には「私の歩んだ道から」をテーマに、北里大学での大村智先生(ノーベル賞受賞者)との歩みや熱帯病治療薬や漢方薬の研究、そして現在も続くDNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)での国際的な医療貢献活動など、氏ならではの貴重なご経験を講演していただきました。赤羽氏からの「創薬研究はライフサイエンスの最前線。今までの常識にとらわれず、技術を組み合わせて最後のピースをはめる人になってほしい」、山田氏からの「初心を忘れず、常に挑戦し続けなさい。目の前に転がっているチャンスを見落とさず、人と交流しながら広い視野で経験をつなぎ、ブレイクスルーに繋げなさい」というメッセージは、学生の心に強い印象を残したようです。

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特別講演の様子

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赤羽隆文氏(アステラス製薬株式会社)

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山田陽城氏(本学卒業生。北里大学名誉教授)に質問する学生

特別講演後は、BUTTOBEに採択された博士課程の学生がTED形式で発表を行いました。1日目は薬学研究科4年生徒生命科学研究科3年生(計7名)が「2040年 未来の私」をテーマに、2日目は薬学研究科2年生と生命科学研究科1年生(計5名)が「どこを見る?どこまで飛ぶ?」をテーマに、自身の未来像や活動目標、本プロジェクトを通じて磨いたミッション・ビジョン・バリューテーマをそれぞれに工夫を凝らして発表しました。
両日とも約40名の学生・教員が聴講し、特別講演や博士課程の学生達の真剣な発表に熱心な質疑応答がなされました。聴講者からは、「研究テーマで行き詰っていたが、将来研究がどう活用されるか考えることが大切だと感じた」、「遠い未来まで研究の道筋を考えるには、現在の自分についてしっかり理解し、これからの社会がどう変わるのか知り、考える必要があるとわかった」などの感想が述べられました。

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TED形式での発表

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発表する学生

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教員の問いに答える発表者

2日間の発表は、各日聴講者による投票が行われ、最優秀発表者が選ばれました。進行を務めた降幡教授は、活発な意見交換のもと熱気に満ちた2日間となったことを振り返り、積極的に意見を伝え合い、考えを発展させること、常に先を見据えて自身との接点を探る姿勢を持つことの大切さを述べて、本Boot Campを締めくくりました。

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1日目の最優秀賞受賞者 青柳君

(生命科学研究科 博士課程3年)

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2日目の最優秀賞受賞者 加藤君

(生命科学研究科 博士課程1年)

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BUTTOBE採択学生と指導教員

9月9日(金)赤羽隆文氏特別講演への学生の感想
「あっという間の1時間半の講演でありました。今後ニューモダリティの治療薬が増加することで、医療がいかに変革していくのか楽しみでありますが、その変革のなかでも生き抜けるだけのスキルを身につけねばならないなと身の引き締まる思いであります。またロボットやAIの基礎研究における活用も非常に印象的でした。この度のご講演を聞いて今後も精進していく所存であります。赤羽先生の今後のご活躍を祈念いたします。ありがとうございました」

「非常にためになる講演でした。ヒトで効く創薬の基本である3ピラーモデルは自身の研究の分野でも参考にするべき考え方であり、初めて耳にする内容でしたので、研究遂行の参考になると思いました。また、最後に話されていた『Whyを定義する』必要性は、成果を公開しようと考える中でひしひしと感じています。研究のみならず、自分をアピールする上で、相手を納得させられる深みを出す重要な考え方だと思うので、自分の将来像を考える中で大切にしていきたいと思いました」

9月12日(月)山田陽城氏特別講演への学生の感想
「多くの場所で非常に幅広いご研究をされており、今後の人生における選択肢の多さを実感しました。また、海外での人脈形成や非営利団体でのご活動など、「主体性」の大切さも学ばせていただきました。自分のキャリアを考えるにあたっては現実をみるのも大事ですが、それ以上にもっと夢をみよう、と考えることができました。ありがとうございました」

「長い研究生活の中で、多くのご経験をされており、その時々の出会いやチャンスをものにしていくことが大切だと学びました。そして、チャンスをつかむ努力を怠らないことが私たちにとって最も重要だと感じました。自分自身の研究に対する考えやこれからの在り方を考えながら聞くことが出来て良かったです」

※「東京薬科大学 未来医療創造人育成プロジェクトBUTTOBE」(Beef Up Toyaku talents TO go BEyond the borders)
既存の常識や枠組みにとらわれず、声高く理念を掲げ、能力と技術と人脈により障害となり得るあらゆる境界を越えてその志を形にしていく、「次世代の志士」の育成プロジェクトです。かつてない変革期を迎えている日本の医療社会の現状において、学術・創薬・医療の各方位からその変革を力強く導き、持続可能なあり方へと発展させていく人財が求められています。必要なコンピテンシーを育み、日本を取り巻く医療の難局を打破して革新を成し得る、文字通り『ぶっとんだ人財』を社会に輩出することを目指します。 2021年度から始まった本プロジェクトは、現在2期目を迎え、博士課程の学生18名(薬学研究科13名、生命科学研究科5名)が未来の医療を担う研究に取り組んでいます。

本プロジェクトに関するお問い合わせ先

東京薬科大学 未来医療創造人育成プロジェクト「BUTTOBE」事務局
  • 042-676-5349(8:45~17:00 月~金、祝日は除く)
  • bu-office-ml@toyaku.ac.jp
  • 〒192-0392 東京都八王子市堀之内1432-1